横田慎太郎さん、優勝しましたよ 阪神 背番号24のユニホーム掲げて胴上げ 岩崎、岩貞らが尽力

2023年09月14日 20:52

野球

横田慎太郎さん、優勝しましたよ 阪神 背番号24のユニホーム掲げて胴上げ 岩崎、岩貞らが尽力
<神・巨>横田慎太郎さんのユニホームを手に歓喜のダッシュを見せる梅野(左から2人目)(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4-3巨人 ( 2023年9月14日    甲子園 )】 阪神が14日、18年ぶり6度目となる悲願のリーグ優勝を達成した。球団最速優勝日だった03年の9月15日を1日更新する歴史的スピード決着。前回18年前と同じ巨人を相手に、甲子園で歓喜の輪を作った。セ・リーグでは2番目に長かった優勝ブランクを埋め、岡田彰布監督が見事に虎を蘇らせた。
 マウンド付近で岡田監督の胴上げが行われる中、岩崎、岩貞ら選手は背番号24のユニホームを携え、歓喜の輪に加わった。故横田慎太郎さんが現役時代に着用していた同ユニホームは、横田さんのご家族から託され、歴史的な胴上げに参加した。岡田監督の胴上げ後に、岩崎が3度、横田さんのユニホームと共に舞った。チーム全員が笑顔だった。

 動いたのは、ドラフト同期入団の岩貞だった。大腸がんの闘病経験があり、横田さんと“同志”だった原口や、岩崎とも意見が一致し、共通の知人を通じて鹿児島に住む横田さんの母・まなみさんに意向を伝えた。まなみさんは涙をこらえて「こんなうれしいことはないです…。岩貞さんはじめ、選手みなさまの気持ちが本当にうれしいです。慎太郎は本当に幸せだと思います」と快諾。この日、仲間とともにグラウンドで喜びを分かち合った。

 OBの横田慎太郎さんは、今年7月18日に脳腫瘍のために28歳という若さで亡くなった。7月25日の巨人戦では追悼試合としてセレモニーを行ったが、チームは「横田さんのために」を合い言葉に、リーグ優勝を誓い合っていた。今季の優勝はまさに有言実行のもので、選手は喜びと同時に「感慨」に浸る一幕もあった。

 同期入団でもある梅野らが、空に向かって言葉を掛けるなど、天国から見守ってくれた友へ「約束」を果たしたことを報告していた。

 ▽横田 慎太郎(よこた・しんたろう)1995年(平7)6月9日生まれ、鹿児島県出身。鹿児島実から13年ドラフト2位で阪神入り。3年目の16年開幕戦に「2番・中堅」で1軍初出場。17年2月に脳腫瘍が判明、同年オフに育成選手となり19年限りで引退。1軍通算38試合で打率・190、本塁打なし、4打点、4盗塁。引退後は自身の経験を伝える講演や執筆で活躍。23年7月18日、28歳で死去。現役時は1メートル87、94キロ。左投げ左打ち。

 ▽横田氏の「奇跡のバックホーム」 19年9月26日、引退試合となったウエスタン・リーグのソフトバンク戦(鳴尾浜)。当初は9回の1イニング限定で守備に就く予定だったが、8回2死二塁の場面で平田2軍監督(現ヘッドコーチ)から声がかかり、中堅へ。その直後、塚田の中前打を捕球すると本塁へノーバウンドで送球して二塁走者を刺した。後遺症の影響で視力が低下していたことから「全くきれいには見えなかったんですけど、グラブに入ってくれた」と話し「練習でも投げたことがない球が投げられて、今まで諦めずにやってきて本当に良かった。(現役での)ベストプレーです」と振り返った。

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