赤星憲広氏が選ぶ虎のMVP「たくさんいて、本当に悩む。でも…」想定外のピンチ救ったあの仕事人

2023年09月14日 21:50

野球

赤星憲広氏が選ぶ虎のMVP「たくさんいて、本当に悩む。でも…」想定外のピンチ救ったあの仕事人 — 赤星憲広氏 Photo By スポニチ

【セ・リーグ阪神4―3巨人（ 2023年9月14日甲子園）】阪神が14日、18年ぶり6度目となる悲願のリーグ優勝を達成した。球団最速優勝日だった03年の9月15日を1日更新する歴史的スピード決着。前回18年前と同じ巨人を相手に、甲子園で歓喜の輪を作った。セ・リーグでは2番目に長かった優勝ブランクを埋め、岡田彰布監督が見事に虎を蘇らせた。また、本紙評論家の赤星憲広氏は、「私が選ぶ虎のMVP」と題して優勝のキーマンを挙げつつ、今季の虎を総評した。

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　MVPはう～ん、候補がたくさんいて、本当に悩む。でも、どうしても一人だけ選べとなれば、岩崎に1票入れる。近本とかなり悩んだが…。

　岡田監督の開幕前の構想から、シーズンに入って一番の想定外だったのが守護神・湯浅の負傷リタイアだったと思う。JFKを擁した前回05年のリーグ優勝の時もそうだったが、岡田野球は基本は守り勝つ野球。いきなり崩れた勝利の方程式を救った岩崎の貢献度は一番だと思う。

　8回の1イニングと、9回の1イニングを抑えるのは全然違うと聞く。セットアッパーができたから守護神が務まるというわけではない。逆もしかり。8回も9回も難しい。私が現役時代のストッパーだった藤川球児をはじめ経験者みんながそう言う。

　最後の27個目のアウトを取れば一気に自信がつくけど、逆に失敗して先発投手の勝ちを消してしまえばすごい責任を感じるポジション。岩崎はシーズン序盤に急きょ転向して1年間やり遂げた。ひょうひょうと、淡々と投げているように見えるが、相当な重圧と戦っていたはず。人間的にも投手陣のリーダー役なので、岩崎が1年間、グラウンド内外でずっと安定していたからこそのリーグ優勝だと思う。