阪神・森下 「大山さんと輝さんに絶対つなごうと」執念の反撃打でシリーズでは球団38年ぶりの新人打点

2023年11月01日 05:15

野球

阪神・森下 「大山さんと輝さんに絶対つなごうと」執念の反撃打でシリーズでは球団38年ぶりの新人打点
<神・オ>7回、2点適時打を放った森下(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【SMBC日本シリーズ2023第3戦   阪神4ー5オリックス ( 2023年10月31日    甲子園 )】 阪神・森下の辞書に「諦め」の文字はない。どれだけ劣勢でも大観衆で埋まった本拠地でふがいない試合を見せるわけにはいかない。頂上決戦なら、なおさらだ。信念が詰まった打球が鋭く一、二塁間を切り裂いた。1―5で迎えた7回は1死満塁から中野の一ゴロで1点を返し、なお2死二、三塁。鮮やかな快打で走者2人を還し、1点差まで迫った。
 「自分がタイムリーを打ってもまだ1点差。大山さんと(佐藤)輝さんにいい形で絶対につなごうと思った」

 この執念を1点を追う9回にも誇示した。2死二塁で日米通算250セーブの平野佳との対決。並の新人なら力み上がる局面でも冷静だった。カウント1―1からフォークを3球連続で見切り、4番へとバトンを渡した。

 「大山さんがダメ(凡退)だったらチーム全体も納得できる。大山さんに何とかつなぐという思いを持ちながら打席に立っていた」

 第1、2戦で計9打数1安打。特に第2戦は初回1死一塁からのヒットエンドランで凡飛を打ち上げ、岡田監督の逆鱗(げきりん)に触れた。「引っ張りの傾向があった。センター中心に」と改心。
第1打席は中飛、2打席は三ゴロ。第3打席にトンネルを抜けた。カウント1ボールから小木田の149キロ直球を右前に運び、7打席ぶりの安打。この一打で気が楽になり、逆襲の2点打へとつながった。岡田監督も納得の表情で「ボール球を振らへんかったら、ちゃんと打てるんやから」とうなずいた。

 球団新人がシリーズで打点を記録するのは1985年の嶋田宗彦以来、38年ぶり。その年、猛虎は日本一に輝いた。「自分の成績としては、打点を挙げられたのはよかった」。“吉兆”の一打を無駄にはしない。(八木 勇磨)

○…森下(神)が7回、右前2点打で日本シリーズ初打点。阪神新人選手の日本シリーズ打点は、62年藤井栄治の5打点(4試合合計)、85年嶋田宗彦の1打点(第3戦、初打席本塁打)に続く38年ぶり3人目。

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