ソフトバンク2位・岩井「憧れるのをやめて超えられるように」　“お化け”千賀超え誓う

2023年11月01日 06:00

野球

ソフトバンク2位・岩井「憧れるのをやめて超えられるように」　“お化け”千賀超え誓う — 福山龍太郎アマスカウトチーフ（左）から帽子をかぶせてもらう名城大・岩井俊介（中央） Photo By スポニチ

　愛知県が誇る新たな剛腕が、ハロウィーンの日にお化け超えを誓った。ソフトバンクからドラフト2位指名を受けた名城大・岩井俊介投手（22）が31日、同大キャンパスで球団からの指名あいさつを受けた。驚異の回転数で最速156キロが武器の右腕は、プロ1年目での先発定着と最速160キロ超え。さらには、同郷でもある元鷹エースの千賀滉大投手（現メッツ）を上回る活躍を目標に掲げた。

　夜の仮装祭「ハロウィーン」が行われる10月31日の夕刻。岩井は、今春のWBC決勝前にエンゼルスの大谷が発した名言をちらつかせ「お化けフォーク」で知られる、同郷の千賀先輩超えを誓った。

　「高校の時からずっと憧れていましたが、憧れてしまったら超えられないと思う。成長してきたし憧れるのをやめて超えられるようになりたい」

　日本三大瓦に数えられる三州瓦で有名な愛知県高浜市出身の岩井の意思は固い。同県蒲郡市出身で育成から鷹のエース、日本のエースに成長した剛腕の姿をテレビやYouTubeで目に焼き付けてきた。高校時代は、千賀同様に無名だった。2位指名されるまで成長した男は、球速でも変化球でも千賀先輩を意識する。

　「160キロは投げたいと思いますし、千賀さんの落ち方と違う、落ちて曲がるフォークも武器に投げていきたい」

　スリークオーターから投じるスラーブ、スライダー、球種すべてに自信がある。さらに直球の最速は156キロだが、6月の大学日本代表候補合宿でNPBでもトップ級の2780回転を刻んだ。鬼の球威が最大の武器で、ポイントは「リリースの瞬間だけ100％の力を込める。球を握りつぶす感覚」だという。福山龍太郎アマスカウトチーフも「千賀のように強い球を全球全力で投げられる。2月1日から勝負をかけてきてほしい」と来春キャンプから即戦力として期待をかけた。

　「大学で先発なのでプロでも」と1年目から先発ローテーション入りを狙う。1メートル82、90キロとサイズも申し分ないが、プロ入りまでにさらに鍛え上げるという。「ちょっと絞って、筋肉量を増やしたい。88、89キロで切れを出して入りたい」。千賀先輩のお化け超えに意気込むが、さらに大化けの予感がする。　（井上　満夫）

　○…岩井は、同郷で大学の先輩でもある広島・栗林に並ぶ活躍もどん欲に意識する。栗林は、名城大からトヨタ自動車に進んで広島入団。1年目の21年には侍ジャパン入りし東京五輪金メダル獲得に貢献し、セ最優秀新人賞にも輝いた。ルーキーイヤーでの活躍に「僕も1年目から活躍して、日本代表にも入りたいです」と目を輝かせていた。

　◇岩井　俊介（いわい・しゅんすけ）2001年（平13）7月30日生まれ、愛知県出身の22歳。小1から野球を始め、高浜南中では愛知刈谷ボーイズに所属。高校は京都翔英でプレーも3年夏は3番手扱いで最後の夏は公式戦登板なし。名城大で飛躍し、6月の大学日本代表候補合宿では直球の回転数がプロでもトップレベルの2780回転を叩き出した。最速156キロ。1メートル82、90キロ。右投げ右打ち。