「まだ1年ある」と切り替えた久保田の再出発弾　パナソニック2大会連続の初戦突破

2023年11月12日 06:00

野球

「まだ1年ある」と切り替えた久保田の再出発弾　パナソニック2大会連続の初戦突破 — ＜伏木海陸運送・パナソニック＞6回に3ランを放ちポーズを決めるパナソニック・久保田（撮影・後藤　正志） Photo By スポニチ

【社会人野球日本選手権1回戦パナソニック4―0伏木海陸運送（ 2023年11月11日京セラD ）】パナソニックは「5番・捕手」で先発出場した久保田拓真（24）の3ランなどで伏木海陸運送を4―0で破り、2大会連続の初戦突破を決めた。

　「確信歩き」とともにバットを高く投げ上げた。パナソニックの5番・久保田拓真が豪快な左越え3ラン。「打った瞬間にいったと思った。気持ち良かったです」。6回に1点を先制し、なお2死一、三塁の場面で貴重な追加点をもたらした。

　5回までチーム全体でわずか1安打と、相手先発・内藤航世に苦しめられた。元日本ハムの金森敬之監督は、ナインに球種やコースを絞るよう、個別に助言。久保田には「変化球を思い切っていったらいい」と伝え、主砲が1ボールから高めに浮いたスライダーを完璧に捉えた。

　プロも注目する強打の捕手は、10月のドラフト会議で無念の指名漏れ。「自分の中では、まだ難しいのかなと感じていたところはあった」。来年のプロ入りへ再出発の一撃を放ち、守っても4投手を無失点リレーに導いた。

　「評価されるように一からやり直す。こういう大きな大会で打つのもそう。まだ1年あるんだと切り替えた」

　チームは28大会連続出場、通算43回出場がいずれも大会最多。05年以来3度目のVへけん引することが、最高のアピールになる。（大林　幹雄）

　◇久保田　拓真（くぼた・たくま）1999年（平11）8月13日生まれ、兵庫県神戸市出身の24歳。小学1年に神戸リトルで野球を始めて三塁手。中学は神戸中央リトルシニアに所属して主に遊撃手を務める。津田学園では1年秋から背番号16でベンチ入りし、2年春から背番号2。3年夏に甲子園初出場。関大ではリーグ戦のベストナインを2度受賞した。50メートル走6秒5、遠投110メートル。1メートル83、98キロ。右投げ右打ち。