広島・久保 来春1軍キャンプ参加へ異例の外野から内野挑戦 新井監督「可能性を広げるため」

2023年11月12日 05:45

野球

広島・久保 来春1軍キャンプ参加へ異例の外野から内野挑戦 新井監督「可能性を広げるため」
広島・久保修 Photo By スポニチ
 広島の久保修外野手(23)が11日、来春の1軍キャンプ参加を目指して猛アピールした。秋季キャンプ3度目の紅白戦に、紅組の「1番・二塁」で先発出場。新井貴浩監督(46)が見守る前でマルチ2安打を放ってみせた。自身の器を広げるため、今秋のみやざきフェニックス・リーグから内野に再挑戦。足と肩には定評があり、課題を克服して表舞台での活躍を誓った。
 成長の跡が見て取れた。4点劣勢の5回2死一塁で回った第3打席。遠藤から左前打を放ってつなぐと、第5打席の9回無死一、二塁では左腕・長谷部から遊撃内野安打を放って好機を拡大した。首脳陣にアピールするマルチ2安打。久保は白い歯をのぞかせた。

 「今までは探り探りでストライクと思ったら刺されて(詰まって)いた。(2軍の)福地コーチや新井良コーチと相談し、始動を早くすることを心がけたら投手に入っていくことができ、見逃せたり、甘い球を打てたり…という収穫がありました」

 1年前の22年ドラフト7位で大阪観光大から入団。相次ぐ故障で出遅れ、1年目の今季はウエスタン・リーグに61試合出場して打率・190に終わった。しかし課題の打撃は、今秋のみやざきフェニックス・リーグで一定の進化を見た。首脳陣期待の成長株だ。

 何しろ、遠投120メートル、50メートル5秒9。肩と足は1軍クラスと定評がある。本職は外野手ながら、今秋の紅白戦では3試合連続「1番・二塁」で先発。途中、三塁にも入った。石見智翠館高1年の夏までは二遊間を守っていたとはいえ、外野から内野に再チャレンジするのは異例だ。

 「始めたのはフェニックス・リーグから。近い距離だと送球が安定しないことがあるので難しいけど、言われた時はうれしかったし、幅も広がるのでチャンスだと思いました」

 この日も初回の守備で失点につながる悪送球があった。それでも小窪内野守備走塁コーチは「内野ができれば武器になる。送球のコツをつかんでほしい。僕の感覚だと何とかなる。オフに入るまでに新しい発見があれば」と期待感を示した。

 新井監督が「秋のキャンプなので可能性を広げるために。ユーティリティー(プレーヤー)にしようとは思っていない」と説明する通り、あくまで内野手としての適性を見極めるための試み。クリアすれば来春の1軍切符が見えてくる。

 「キャンプをケガなく乗り切っただけでは意味がない。春に向けて、この秋に守備や走塁、打撃で勝負できる部分を増やしていきたいと思っています」

 外野守備は一級品。そこに加わった高校1年の夏以来、7年ぶりの内野挑戦。久保の2年目が楽しみだ。(江尾 卓也)

 ◇久保 修(くぼ・しゅう)2000年(平12)9月29日生まれ、大阪府出身の23歳。石見智翠館では甲子園経験なし。大阪観光大を経て、22年ドラフト7位で広島入団。1年目の今季は1軍出場はなく、2軍61試合で打率・190、0本塁打、6打点。1メートル81、82キロ。右投げ右打ち。

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