【甲子園】神村学園・正林 チームメイト、そして母に見せた復活の適時打 2年連続4強は4番が決めた

2024年08月20日 04:45

野球

【甲子園】神村学園・正林 チームメイト、そして母に見せた復活の適時打 2年連続4強は4番が決めた
<大社・神村学園>7回、左翼線適時打を放った神村学園・正林(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【第106回全国高校野球選手権第12日 準々決勝   神村学園8ー2大社 ( 2024年8月19日    甲子園 )】 仲間みんながこの瞬間を待っていた。神村学園1点リードの7回1死一、二塁。正林は初球の直球を左前に運ぶと、力強く拳を握った。「思い切ってスイングした結果」と今大会初打点を喜んだ。さらに岩下吏玖、上川床勇希(ともに3年)の長打で一挙4点と粘る大社を突き放し、「いいところで打てたのでチームが波に乗ってくれたと思う」と胸を張った。
 「打率5割」を掲げた甲子園で3試合13打数1安打、打率・077と苦しんでいた。曇りがちな表情を見た小田大介監督から17日夜に「おまえがやるべきはチームを勝たせるバッティング」と1対1で説かれた。「ここぞという場面で一本打てるように」と気持ちを新たにし、4回には二盗を決めるなど泥くさくプレーした。 

 アルプス席では母の美和子さんが安堵(あんど)の涙を流していた。正林が中学2年の時、くも膜下出血で入院。コロナ禍もあって心細くなった気持ちを救ってくれたのが、息子が在籍した諸富中軟式野球部のチームメートがくれたビデオレターだった。「それが何よりの薬になったんです」。母が涙していたことを聞くと「応援してくれているんだと凄く感じます」と照れながら感謝した。

 右翼の守備中には大社の応援団の大声援を間近で聞き、「響く感じ。近くでプレーできて楽しかった」とパワーに変えた。鹿児島県勢初の2年連続ベスト4。息を吹き返した4番打者は「気を緩めずしっかり戦いたい」と初の頂点を見据えた。
  (杉浦 友樹)

 ○…神村学園の最速145キロ右腕・早瀬朔(さく=2年)は3回途中から救援し、6回5安打無失点で7奪三振。大社応援団の大声援で球場は異様な雰囲気に包まれたが「自分が応援されているように思うことが大事だと思った」と力に変えた。今大会は2試合に登板し、計15回を1失点と抜群の安定感を誇る。頂点まであと2勝に迫り「今日のようなピッチングをしたい」と力強かった。

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