韓国屈指の走り屋集団 元巨人の三塁コーチとともに1点をもぎ取る

2024年08月20日 13:30

野球

韓国屈指の走り屋集団 元巨人の三塁コーチとともに1点をもぎ取る
後藤孝志コーチ(写真左)と趙修行(斗山ベアーズ提供) Photo By 提供写真
 【室井昌也コラム 月に2回は韓情移入】韓国KBOリーグは今季から大リーグ同様に、ホームベースを除く各ベースの大きさが1辺当たり3インチ(約7・6センチ)大きくなった。それに伴い塁間が短くなり、これまで以上に次の塁を狙う積極的な走塁が多く見られる。
 「進む」か「止まる」か。斗山(トゥサン)ベアーズでそのシグナルを送るのが後藤孝志コーチ(元巨人)だ。

 斗山の今季チーム盗塁数はリーグトップの157個。選手では9番打者の趙修行(チョ・スヘン)が56個で1位、1番打者で昨季の盗塁王、鄭秀彬(チョン・スビン)が45個の2位で追い、チーム内でその数を争っている。

 「ウチの選手は次の塁を狙う意識が高くて、こちらの指示だけではなく自分で考えてプレーしています」と後藤コーチは話す。

 8月15日のロッテ・ジャイアンツ戦、2―3で斗山が1点を追う4回裏、2死二塁で9番・趙修行の打球は高いバウンドのセカンドゴロに。際どいタイミングになると判断した趙修行は一塁ベースに手から滑り込んだ。判定はセーフ。

 その間に二塁走者で俊足の李有燦(イ・ユチャン)は三塁を回り本塁に向かった。ファーストはセーフの判定後、一瞬の間をおいて本塁に送球。しかしヘッドスライディングの李有燦がキャッチャーのタッチよりも一瞬早くホームベースを滑り抜けた。

 この場面、後藤コーチは二塁走者が二、三塁間の中間を過ぎたあたりで右腕を大きく回していた。「僕は全ポジションをやったことがあるのでわかるんですけど、ファーストは捕球した時につい塁審を見ちゃうんですよ」。その間を予測しての判断だった。

 二塁走者の李有燦は「バットにボールが当たった瞬間からホームに行こうと決めていました。そして後藤コーチのシグナルを見て迷わずホームに走りました」と話した。選手とコーチの判断が一致し3―3の同点とした斗山は、6回にも1点を追加。4―3で勝利した。

 斗山は10球団中4位。首位と8・5ゲーム差で2位争いに加わっている。今月は8勝のうち4勝が1点差勝利だ。リーグ屈指の走り屋集団は足と判断力で接戦を制していく。(記録は8月18日現在)

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