「光る君へ」ヒール道兼役も話題 玉置玲央が語る舞台「リア王」の魅力“背中追う”兼家・段田安則と再共演

2024年03月15日 12:00

芸能

「光る君へ」ヒール道兼役も話題 玉置玲央が語る舞台「リア王」の魅力“背中追う”兼家・段田安則と再共演
舞台「リア王」初日前会見に出席した玉置玲央(撮影・阿部章仁) Photo By 提供写真
 俳優の段田安則(67)がタイトルロールを務める舞台「リア王」が東京・池袋の東京芸術劇場プレイハウスで上演中。ウィリアム・シェイクスピアの「四大悲劇」の一つで、本場・英国出身の演出家ショーン・ホームズ氏と豪華キャストが“新たなリア王”に挑んでいる。NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)で段田との“ヒール父子役”が話題の俳優・玉置玲央(38)も出演。開幕前、稽古中の玉置に今作の見どころを聞いた。
 <※以下、ネタバレ有>

 「光る君へ」第10回「月夜の陰謀」(3月10日)。まんまと花山天皇(本郷奏多)を退位に追いやった藤原兼家(段田)と藤原道兼(玉置)の2人が、時代と国を変え、舞台共演している。

 段田は2022年に上演された「セールスマンの死」に主演。第30回読売演劇大賞・最優秀男優賞に輝くなど、自身のキャリアにとってエポックメイキングの作品となった。ピューリッツァー賞を受賞した米劇作家アーサー・ミラーの代表作に続き、段田とタッグを組む演出家がホームズ氏。「セールスマンの死」は高度経済成長期の資本主義の歪みを重ねる斬新な演出で、日本の演劇ファンを魅了した。今回は「ハムレット」「オセロー」「マクベス」と並ぶ悲劇を、どのようにアレンジするのか。

 老王リア(段田)は退位にあたり、3人の娘、長女ゴネリル(江口のりこ)次女リーガン(田畑智子)三女コーディリア(上白石萌歌)に領土を分け与える決意を固める。甘言を弄した長女・次女とは約束を果たしたが、率直な物言いをした三女に激怒。勘当してしまう。しかし、長女に裏切られ、次女とその夫・コーンウォール公(入野自由)に追いやられるリア。三女は誠実なフランス王(秋元龍太朗)の妃となるが…。

 生来の気性の荒さと老いから、娘たちの腹の底を見抜けず、悲嘆と狂乱のうちに哀れな最期を遂げるリア王に、百戦錬磨の段田が初挑戦。他に小池徹平、前原滉、盛隆二、平田敦子、高橋克実、浅野和之と実力派の面々が顔を揃えた。玉置はグロスター伯(浅野)の私生児で、異母兄エドガー(小池)を追放に追い込むエドマンドを演じる。

 玉置は劇団「柿喰う客」の中心メンバーとしても活躍中の演劇人。もちろん、舞台のシェイクスピア作品も経験している。

 「シェイクスピアの戯曲というのは、登場人物が衝動的に動くこともあります。理詰めじゃなく沸騰したように急に怒ったり、突如として恋に落ちてしまったり。感情の振れ幅が極端なのもシェイクスピア戯曲の面白さで、それをどう成立させるかは、演じる側の力量が問われるところなんです。『リア王』はダイナミックに展開する作品ですが、今回は“どうして、そういう結果になってしまったのか”という悲劇に至るキャラクターの精神面をクローズアップして描きます」

 特に今作のための上演台本があるわけではなく「台本は(シェイクスピア全作品翻訳を達成した)松岡和子さんの翻訳で、あくまでショーンさんが演出の範疇で見せ方をガラリと変えています」。衣装や美術、照明も独特だといい「舞台空間の使い方は、従来の『リア王』の固定概念を取っ払っていますね。『リア王』をご覧になったことがある方々は幕が開いた瞬間、僕と同じように『これ、リア王なの?』と新鮮に感じられるかもしれません。色々な表現方法があるからこそ、400年以上も上演され続けているんだと思います」と明かした。

 一方、心理描写が丁寧とあり「今回が初めてという皆さんも、予備知識がなくても存分に楽しんでいただける『リア王』になっていると思います。僕も最初はカタカナの登場人物ばかりが苦手でしたけど(笑)、心配は要りません」と呼び掛けた。

 今月8日に行われた初日前会見では「段田さんはどの役に取り組んでいらっしゃる時も、どの現場でご一緒する時も、きちんと芯を持っていらっしゃって、同時に、そのお芝居や戯曲の中で役を演じる際、まるで散歩や泳ぐように、ある種エンジョイして演じられている姿をどの現場でもお見かけしました。その背中を追い掛けていこうと思える偉大な先輩だと思います」と尊敬の念。玉置が織田信長の長男・織田信忠役、段田が織田家重臣・滝川一益役を演じた16年の大河ドラマ「真田丸」、18年の舞台「夢の裂け目」(作・井上ひさし、演出・栗山民也)、「光る君へ」に続く4度目の共演も注目される。

 【PARCO PRODUCE 2024「リア王」上演スケジュール】
 東京公演:3月8日(金)~31日(日)東京芸術劇場プレイハウス
 新潟公演:4月6日(土)~7日(日)りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場
 愛知公演:4月13日(土)~14日(日)刈谷市総合文化センターアイリス大ホール
 大阪公演:4月18日(木)~21日(日)SkyシアターMBS
 福岡公演:4月25日(木)~26日(金)キャナルシティ劇場
 長野公演:5月2日(木)まつもと市民芸術館主ホール

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