松竹新喜劇の大名跡、渋谷天外に天笑が養子に

2024年03月15日 21:34

芸能

松竹新喜劇の大名跡、渋谷天外に天笑が養子に
二代目渋谷天笑(左)にエールを送る渋谷天外=2017年11月16日撮影 Photo By スポニチ
 松竹新喜劇の若きリーダーの一人、渋谷天笑(40)が15日、師匠で長く同劇団の代表を務めた三代目渋谷天外(69)の養子となり、公私ともに“親子”となったことが分かった。
 天笑は先月11日、一般女性と結婚していたことも明らかに。人生の大きな節目を立て続けに迎えさらなる飛躍が期待される。

 関係者によると、この養子縁組はコロナ禍以前から持ち上がっていた。コロナも落ち着き、21年7月に再々婚した天外の妻の後押しもあって話は再燃。15日が最上の吉日とされる「天赦日」に一粒の籾(もみ)が何倍にも成長し大きな利益ともたらすとされる「一粒万倍日」、さらに金運にもいいと言われる「寅の日」が重なる“サイコー(3・15)”の日とあってこの日が縁組の日となった。劇団員にもすでに封書で通達されたようだ。

 天外は喜劇の始まりとも言われる「俄(にわか)」出身の初代天外の孫、松竹新喜劇の旗揚げメンバーである二代目天外の次男として誕生した。兄との2人兄弟だが、兄は演劇界とは関係のない仕事をしており子どももいない。天外自身には2人の娘がいるが2人とも演劇界には進まず、すでに他家に嫁いでいる。将来的に芸の継承や二代目が劇作家「舘直志(たてなおし)」として残した膨大な喜劇の名作の数々を管理する人物の台頭が望まれていた。

 そこで現れたのが後に天笑となる胡蝶英治(こちょう・えいじ)だった。大分から役者を目指し、松竹新喜劇に感動して天外に弟子入り。天外もその素質を認め17年、天外の前名である「渋谷天笑」の継承を許した。

 その後、天笑は2代目天外の前妻、浪花千栄子を描いたNHK連続テレビ小説「おちょやん」(20年度後期)や現在放送中の「ブギウギ」、東京・三越劇場で上演中の「あゝ同期の桜」(17日まで。京都南座=30、31日)に出演するなど、喜劇の枠を超えた活躍を見せ松竹新喜劇のニューリーダーの1人に抜てきされたばかり。藤山寛美の孫、藤山扇治郎らと新時代の劇団飛躍を担う存在としてさらなる活躍が期待される。

 天外はこの日、多くを語らなかったが、天笑が金銭的な相続は辞退していることを明かした上で「将来的に誰もが“渋谷天外”になることを認めてくれるような大きな役者になってほしいかな」と願いを込めた。

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