「日本統一」新時代突入 映画「氷室蓮司」舞台あいさつに女性の歓声

2024年04月03日 11:00

芸能

「日本統一」新時代突入 映画「氷室蓮司」舞台あいさつに女性の歓声
映画「氷室蓮司」の舞台あいさつに臨んだ(左から)舘昌美、本田広登、山岡樹、本宮泰風、山口祥行、喜矢武豊、辻裕之監督 Photo By 提供写真
 【牧 元一の孤人焦点】人気仁侠シリーズ「日本統一」のスピンオフ映画「氷室蓮司」(4月12日公開)が2日夜、東京・新宿バルト9で先行上映され、主演の本宮泰風(52)、共演の山口祥行(52)らが舞台あいさつを行った。
 「日本統一」は新たな時代に突入した。会場には女性ファンの姿が目立ち、ステージ上に本宮、山口が姿を見せると「キャー」という女性の歓声が起きた。このシリーズは既に性別を問わず人気を得ているようだ。

 マイクを握った本宮はこう切り出した。「昨日まで台湾にいた」。台湾はこの映画のロケ地だ。「ファンとの交流で、びっくりした。台湾の方々もかなり上級な感じで愛してくれている。一人一人、日本語を覚えてその思いを伝えてくれた」。今や「日本統一」の人気は海外にも広がっているようだ。

 ステージにはMC担当の舘昌美、シリーズでおなじみの本田広登、主人公・氷室蓮司の息子を演じた山岡樹、本宮、山口、一昨年からレギュラーに加わった喜矢武豊、辻裕之監督が並んだ。シリーズの鬼気迫る映像の雰囲気とは異なり、緩やかで和気あいあいとしたムードが漂う。

 映画で山口から激しく叱られるシーンがある本田が「普段の方が怒られている。いつも愛あるお仕置きをしてもらっている。2人だけで演じるのは初めてだったので緊張して本気で汗をかいた」と冗談まじりに語ると、山口がすかさず「いつもオレのことを赤ちゃん扱いしているだろう」と突っ込んだ。撮影現場での友好的な関係性が垣間見えた。

 映画は氷室の父親としての側面に焦点を当てた物語で、シリーズとの作風とはひと味違うサスペンスタッチが際立つ。企画した山口が「家族の絆をアナザーストーリーとして描ければ…という話を泰風にしたら『嫌だ』と言われた」と内幕を明かすと、本宮はほほえみながら「『やりたくない』と言った」と本音を漏らした。辻監督は「氷室の奥さんと子供の話はシリーズの初期に私が脚本に書いていた。私は家族の話を入れるのは嫌いじゃないし、ファンから『なぜ奥さんと子供のことを描かないの?』という声もあった」と製作に至った経緯を説明した。

 今後、このシリーズはどこに向かって行くのだろう。今回の先行上映に先立ち、山口らに話を聞いた。

 山口は「僕らは年を取っているから、アクションを減らしている。アクションは若いやつに継がせたいという思いがある。以前は泰風がやればいいじゃん、オレがやればいいじゃんと考えていたが、今は若いやつに任せるようになった。立場が変わってきたという感じが強い」と語った。

 人気継続には若い世代の台頭が不可欠で、本宮や山口にとってはその育成が課題と言える。

 山口は「何年も一緒に現場で携わり、いい風に育ってほしいという気持ちがある。まあ40歳を過ぎているやつもいるので、限界はあるのだけれど、20代、30代の若いやつには任せたくはなってきている。現場で、カメラの画角とかを教える時もある。みんな自分の芝居に夢中になってしまっているから、カメラがどこまで写しているかのか分からなくなってしまう。そんな時、もうちょっと上の方がいいぞ、とか言ったりもする」と明かした。

 映画の前半では喜矢武が印象的なアクションを見せているが、主演の本宮も各所で力強いアクションを披露している。

 さて、今後の作品はどうか?

 本宮は「今また田村(山口)が主人公のスピンオフを考えている」と明かし、山口は「もう1発なんかやって、あとは若いやつにアクションは任せたい。世代交代して行った方がいいと思っている」と語った。

 「日本統一」は今、重要な分岐点に差しかかっているのかもしれない。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部専門委員。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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