ピーコさん死去 同性愛者公言し、双子でタレント活動 44歳で左眼摘出 晩年は認知症で施設入所

2024年10月20日 20:50

芸能

ピーコさん死去 同性愛者公言し、双子でタレント活動 44歳で左眼摘出 晩年は認知症で施設入所
弟のおすぎ、兄のピーコさん(1978年撮影) Photo By スポニチ
 双子のコンビ「おすぎとピーコ」としてタレント活動を展開し、ファッション評論家、シャンソン歌手としても知られたピーコ(本名・杉浦克昭=すぎうら・かつあき)さんが9月3日、敗血症による多臓器不全のため死去した。79歳。
 古希を過ぎても精力的に芸能活動を行っていたピーコさんだが、21年ごろから一卵性双生児の弟・おすぎに認知症の兆しが見られたため、10年前から福岡で暮らしていた弟を横浜に呼んで同居を始めた。

 しかし「老老介護」には限界がある。次第に兄弟仲も悪化。そのうちピーコさんにも認知症の症状が現れたため、22年2月に同居生活を解消。おすぎは介護認定を受けて、横浜市の高齢者施設に入居した。ピーコさんは1人暮らしを続けていたが、今年8月下旬には入院もしていたという。

 ピーコさんは、高校卒業後に横浜トヨペットに入社。電飾工場への転職を経てサンヨーレインコートに就職。倉庫での作業時におしゃべりが過ぎ、「ピーピーうるさいぞピーコ」と言われたのが芸名の由来と言われる。その後、本格的にファッションの勉強をしようと退社して文化服装学院のデザイン科に入学した。自身が好んだブランドはコムデギャルソンだった。

 26歳の時、おすぎを経由してドラマ衣装の製作を依頼されたのを縁に芸能界に足を踏み入れ、1975年に双子のコンビ「おすぎとピーコ」としてテレビ、ラジオにデビュー。同性愛者であることを公言した上での活動だった。

 TBS「3時にあいましょう」で始まった「辛口ピーコのファッションチェック」は同局「スーパーワイド」、フジテレビ「ビッグトゥデイ」、同局「2時のホント」、再びTBSに戻って「ジャスト」など、局をまたいで2010年代まで名物コーナーとなった。

 44歳だった1989年に悪性黒色腫の診断を受けて左眼を摘出し、義眼を入れた。黄色いレンズのメガネがトレードマークとなり、公共広告機構(現ACジャパン)の「アイバンク」のCMにも起用された。おすぎを通してドレスを発注して以来、大親友になった女優の吉行和子(89)はピーコが眼病の治療を受けている間、毎日のように東京から小田原の病院まで見舞いに通った。

 多くの芸人にものまねされており、「SMAP×SMAP」では中居正広(51)がパロディキャラクター「ヒーコ」を演じた。ただし、ピーコ本人が認めていたのは小堺一機(68)のものまねだけだったという。

 「おすぎとピーコ」で活躍した双子だが、次第に関係者も離れていき、晩年は寂しい日々を送った。

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