【コラム】戸塚啓
絶対に負けられない戦い サウジ&豪州戦
2021年09月29日 19:45
サッカー
メンバーは海外組で固められた。国内組はGK権田修一、谷晃生、DF長友佑都、酒井宏樹、FW大迫勇也の5人だけだ。谷をのぞく4人は、スタメン出場が予想されている。バックアップも含めて海外組が多いのは、コンディションを考慮したものだろう。
ヨーロッパのほとんどの国とサウジアラビアは、時差がわずかに1時間だ。移動距離も日本へ帰国するより短い。長距離移動や時差の影響を最小限にとどめるメンバー構成とし、できる限りコンディションで劣らないようにした、と考えられる。
序盤の大一番と言っていい連戦で、久保建英と古橋亨梧をケガで欠く。サウジ戦は伊東純也も累積警告で出場できない。
伊東は代表でも所属先でも欠かせない存在で、久保は中国戦で定位置奪取のきっかけとなり得るパフォーマンスを披露した。マジョルカでもプレータイムを得ていた。セルティックで好調を維持していた古橋を含めて、彼らの不在は痛い。
森保一監督は浅野拓磨と三好康児を招集した。2列目の選択肢は南野拓実、鎌田大地、堂安律、原口元気、それに浅野と三好だ。浅野はFWでの起用も念頭に置いた招集だろう。
前線にはオナイウ阿道が招集された。今夏に移籍したフランス2部のトゥールーズで、ここまで10試合に出場して5ゴールをマークしている。国内外でプレーする日本人アタッカーで、いまもっとも勢いのある選手と言っていい。
久保ら3人を欠くのは痛いが、アタッカー陣の顔触れに不足はない。国内組でも海外組でも、「選んでも良かったのでは」という選手はいるものの、今回のメンバーでも十分に戦える。
あとは、森保監督がどんなメンバーを選び、どんな戦略を立てるのか。システムはこれまで同様に4-2-3-1が採用されるのだろうが、そのなかでも変化を生み出さなければならない。5人の交代枠をいつ、どのように使うのかも含めて、相手のスカウティングを上回る打開策を、しっかりと講じておかなければならない。どちらの試合もクロスゲームが予想されるからこそ、ベンチワークは重要になってくる。(戸塚啓=スポーツライター)