【コラム】戸塚啓
Jリーグの盛り上がりを考える ネームバリューを持った選手の存在
2024年09月27日 14:00
サッカー
千葉Jは新アリーナ『ららアリーナ東京ベイ』で迎えるシーズンだ。臨場感と一体感に溢れると評判の空間で、最寄り駅から徒歩圏内である。すぐ近くには大型商業施設もある。バスケットボールに詳しくない自分でも、千葉J の試合に一度は行ってみたいなと思う。
外国人選手も豪華だ。23年ワールドカップ金メダルのドイツ代表から、ヨハネス・ティーマンが群馬クレインサンダーズの一員となった。NBAでプレー経験のある選手もいる。
Bリーグの島田チェアマンは、自信を込めて語る。
「パリ五輪で活躍したような各国の代表選手、代表に資するNBAに届きそうなハイレベルな外国人選手が、たくさん日本に来てプレーすることになります。日本代表選手もそうですが、全般的にレベルアップしていると思います。おそらくは過去イチ、コート上のクオリティが高いシーズンをみなさまにお見せできるのでは、と思います」
バレーボールの国内トップリーグ『SVリーグ』は、10月11日に開幕する。イタリア・セリエAで戦った高橋藍が、昨シーズンのVリーグを制覇したサントリーサンバーズ大阪に加入した。高橋を含めて、パリ五輪に出場した日本代表選手も多い。
SVリーグの開幕節は、日本代表のW杯最終予選開催のためJ1リーグは行なわれない。10月の第3週からは、JリーグとBリーグ、SVリーグの日程がぶつかり合う(卓球のTリーグなどもある)。
週末のスポーツ観戦の選択肢として、サッカーはバスケットボールやバレーボールに対抗できるのだろうか。
渡邊雄太に匹敵するタレントが、Jリーグにいるのか?高橋藍に負けないタレントは、Jリーグにいるのか?
すぐには、答えられない。
サッカーにあまり興味のない人にも、「ああ、あの選手ね」と頷いてもらえる選手は誰なのか。
これもまた、答えに詰まってしまう。
ネームバリューを持った選手が、ヨーロッパでプレーしている。日本代表選手は、ほとんどがヨーロッパでプレーしている。日本代表には選ばれていない海外組も、相当な数にのぼる。高校卒業と同時にヨーロッパのクラブへ加入する選手も、レアケースではなくなっている。
日本サッカーのレベルアップや日本代表の国際競争力向上という視点に立てば、ヨーロッパでプレーする選手が増えるのはプラス要素である。ただ、Jリーグの盛り上がりを考えると、少し複雑は気持ちになる。
Jリーグはここからシーズン終盤を迎えていく。J1の優勝争いと残留争い、J2の昇格争いと残留争い、J3の昇格争いなどが、一気に白熱化していく。
BリーグとSVリーグの開幕だけでなく、プロ野球もクライマックスへ突入していくなかで、Jリーグは人々の目にどのように映るのか。観客動員やメディアでの取り上げられ方から、Jリーグの「いまの立ち位置」が見えてくるのだろう。(戸塚啓=スポーツライター)