あるぞ!3関脇同時昇進 大関獲りへ大栄翔、若元春、豊昇龍が白星発進

2023年07月10日 04:44

相撲

あるぞ!3関脇同時昇進 大関獲りへ大栄翔、若元春、豊昇龍が白星発進
正代(右)を押し出しで破った大栄翔(撮影・井垣 忠夫) Photo By スポニチ
 【大相撲名古屋場所初日 ( 2023年7月9日    ドルフィンズアリーナ )】 大関昇進を目指す3関脇はそろって白星発進した。豊昇龍(24=立浪部屋)は翔猿を押し倒しで下し、大栄翔(29=追手風部屋)は正代を押し出し、若元春(29=荒汐部屋)は御嶽海を寄り倒した。2場所連続優勝を目指す横綱・照ノ富士(31=伊勢ケ浜部屋)は小結・阿炎を押し出しで下し好発進。新大関の霧島(27=陸奥部屋)は右肋骨骨挫傷で休場となった。新大関の初日からの休場は00年夏場所の武双山以来だが、不戦敗は史上初の珍事だった。
 ≪大栄翔「良い緊張感」攻め急がず押し出し≫大きな注目を集めながらも大栄翔は落ち着いていた。正代にいなされて一瞬左を差されかけたが、強烈な喉輪で振りほどき、最後は相手をよく見て押し出し。攻め急ぎすぎず、いったん止まってもう一度頭で当たる冷静さを見せた。「稽古場でできたことが本場所でもできている」。土俵際の逆転で2番続けて敗れて優勝を逃した春場所の経験から、課題だった土俵際の詰めを修正してきた。

 直近2場所で22勝を挙げており、大関獲り3人の中で一歩リードしている。期待を背負いながら「ありがたいと思って頑張らないと」と自らを鼓舞してきた。自分の相撲を取りきっての好発進に「良い緊張感の中でやれている」と充実感を示した。

 場所前から「力を出し切れば上がれる」と大関昇進を宣言してきた。これまであまりしてこなかった強気な発言は、強い覚悟の表れ。初日から大関不在となり、新たな大関誕生の待望論が加速する今こそ、期待を力に変えていく。

 ≪若元春「悪い癖が出た」詰めの甘さを反省≫得意の左四つになり、相手の巻き替えを許さず前に出た。御嶽海を下し白星発進したが、若元春に慢心はない。むしろ最後の詰めの甘さに「反省」が口をついた。

 問題の土俵際。俵に詰まった相手が左に開きながら起死回生の投げを試みた。そのまま体を寄せていけば良かったが、真っすぐ出たことで際どい体勢を許した。「焦ってしまった。自分の悪い癖が出た」。目の前の一番に自分の全てを出すべきところで、勝ちたい欲が先に出たことを反省した。

 収穫もあった。前回の対戦では立ち遅れて苦戦したが「先に先にの意識だった。いい立ち合いができた」。常に重きを置いている立ち合いで成果を残したことは満足そう。大関昇進への期待は日増しに高まるが、意識はないと断言する。「今の番付が過分なので、関脇の地位を全うすること。関脇としてふさわしい相撲を取り切ることを意識したい」と無欲の戦いを改めて宣言した。

 ≪豊昇龍「意外と緊張…」際どい勝負制した≫3関脇で一番最後に登場した豊昇龍は、際どい勝負で白星をつかんだ。翔猿の動きを警戒して少し見合う立ち合いから押し込んでいくと、素早く右へ回り込まれて前に倒れ込んだが、相手が先に背中から土俵に落ちていた。「意外と緊張がありました。何より勝ててよかったです」。大関獲りを意識しないよう心掛けていたが、見えない重圧はあった。

 昇進を争う若元春と大栄翔は、それぞれ持ち味を発揮する内容で完勝。「強い相撲を取ってましたね。しっかり気合を入れてやらないといけないなと思いました」。土俵下で2人の相撲を見届け「2人よりも先に負けちゃいけない」と場所前に話していたように闘争心はより高まった。

 この日は、新調した濃い青の締め込みで登場。「お世話になっている人が作ってくれた。青が好きなので気に入っています」。先場所まで使用していた赤から心機一転、落ち着いた色で冷静に燃える。

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