格上との戦い 田臥 ホーバスジャパンへ「自分たちから仕掛けろ」

2023年08月23日 04:45

バスケット

格上との戦い 田臥 ホーバスジャパンへ「自分たちから仕掛けろ」
田臥勇太
 25日に開幕するバスケットボール男子W杯(日本、フィリピン、インドネシアの3カ国共催)に臨む日本代表が22日、本大会会場の沖縄に入った。アジア最上位になれば24年パリ五輪出場権を得る重要な戦い。日本人初のNBA選手で元日本代表の田臥勇太(42=宇都宮)が取材に応じ、日本代表へのエール、大会の注目ポイントなどを語った。
 42歳。田臥は23~24年シーズンもB1宇都宮でプレーする。日本代表の比江島はチームメート。日常から切磋琢磨(せっさたくま)するBリーガー主体のホーバスジャパンの躍進を信じている。

 「全員に期待している。渡辺選手が軸になると思うが、全員バスケで戦ってもらいたい。所属チームと役割が変わる選手も多いが、チームでの責任を果たした上で、ひるまず、考えすぎず、個々の良さを出してほしい」

 04年にサンズと契約。日本人初のNBA選手となり開幕戦を含む4試合に出場した。世界のレベルは身をもって知る。日本はドイツ、フィンランド、オーストラリアと格上ぞろいの組に入った。

 「当たり前だけど、どの国も強い。フィジカルの戦いでチャレンジすることは必要だが、その中で相手と同じことをしても仕方ない。攻撃も守備も自分たちから仕掛ければ相手のリズムを崩せるはず。“こんなはずじゃなかった”と思わせる展開になれば面白い。探る必要はない。序盤から機動力で翻弄(ほんろう)してほしい」

 アジア最上位になれば来夏のパリ五輪切符を得る重要な戦い。下位に沈めば、来年7月2~7日の五輪世界最終予選の出場権を逃し、2大会連続の五輪が消滅する可能性もある。

 「どのアジアの国も2次リーグ進出は簡単ではない。日本はまず1次リーグを突破すること。他国の結果は意識せず、目の前の試合に集中すればいい」

 田臥は五輪を含めて世界大会の経験はない。W杯は98年ギリシャ大会に向けた代表候補に入ったが、チーム立ち上げ当初の合宿に参加したのみ。06年日本大会はNBAのサマーリーグを優先して出場を辞退した。

 「W杯は回を重ねるごとにレベルが上がっている。NBA選手はもちろん、欧州や南米のトップ選手が集う大会になった。自分もこのステージで戦ってみたい思いは強い」

 4年に1度の祭典は世界の潮流を知る貴重な機会でもある。バスケ人として開幕を心待ちにしている。

 「国によってスタイルは違うが、主流は5アウト。米国は若手主体なので、優勝は米国、スペイン、カナダあたりと予想している。個人的にはチームメートのニュージーランド代表アイザック(・フォトゥ)のプレーも楽しみ」

 17年ぶりに国内で開催されるW杯。21年の東京五輪は無観客だっただけに、日本バスケ界の底上げにつながることも期待している。

 「子供たちには派手なプレーだけではなく、基本技術の高さにも注目してほしい。守備でハードワークできる選手、ドライブで当たり負けしない選手などマネできる選手を見つけてほしい」

 昨年はサッカーW杯、今春は野球のWBCで日本代表が活躍。日本列島を巻き込む大きな盛り上がりを見せた。

 「盛り上がるにはやっぱり日本の勝利が一番。ホームアドバンテージは大きいので、ぜひ日本の選手にパワーを送ってもらいたい」

 ◇田臥 勇太(たぶせ・ゆうた)1980年(昭55)10月5日生まれ、横浜市出身の42歳。能代工(秋田)時代に総体、国体、選抜の3冠を史上初めて3年連続で達成。卒業後は米ブリガムヤング大ハワイ校に留学。02~03年にはスーパーリーグのトヨタ自動車で新人王に輝いた。03年に渡米し、04年にNBAサンズと契約し、4試合に出場するなど日本人初のNBA選手となった。宇都宮ブレックス所属。1メートル73、77キロ。血液型A。

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