大畑大介氏 SO李が全ての鍵!エリアマネジメント、ゲームメーク求めたい W杯前ラスト実戦解説

2023年08月26日 04:22

ラグビー

大畑大介氏 SO李が全ての鍵!エリアマネジメント、ゲームメーク求めたい W杯前ラスト実戦解説
SO李承信 Photo By スポニチ
 【日本かく戦え 大畑大介 レジェンド展望】ラグビー日本代表は26日(日本時間27日未明)にイタリアのトレビーゾでイタリア代表と対戦する。来月8日開幕のW杯フランス大会前最後の実戦。テストマッチのトライ数世界記録保持者で、日本人2人目のワールドラグビー殿堂入りも果たした大畑大介氏(47)が「レジェンド展望」で見どころを語った。イタリアを仮想イングランド、仮想アルゼンチンとし、キーマンの一人にSO李承信(リ・スンシン、22=神戸)を挙げた。(取材・構成 吉仲 博幸)
 本大会初戦のチリ戦に向けたメンバーを組んだなというのが率直な印象だ。ただ、ロックのディアンズらFWに負傷者が多く、その回復具合で本番のメンバーが大きく変わる可能性も十分にあるだろう。

 W杯前最後の実戦の場として、イタリアは最適な相手と言っていい。世界ランキングは日本の14位に対し、イタリアは13位。力が拮抗(きっこう)している。イタリアはFWのフィジカルが強く、セットプレーもディフェンスもいい好チームだ。日本が本大会で2戦目に対戦するイングランド、4戦目に対戦するアルゼンチンの“仮想相手”としてまさにうってつけで、最高のターゲットと言えるだろう。

 SOに入った李承信をキーマンの一人に挙げたい。彼の最大の持ち味は精度の高いキックだ。トライ後のゴールキックやPGだけでなく、相手を下げる、エリアを取るキックにセンスの良さを感じる。相手ディフェンスを前に出させないようにするためにも、裏のスペースをつくキックも鍵を握るだろう。ボールを動かすこと、エリアマネジメント、ゲームをつくること。彼には全てを求めたい。

 FWでは、レッドカードによる出場停止処分を受けていたフランカーのリーチが3試合ぶりに先発復帰する。ともに23歳のフランカー福井、CTB長田ら若くて勢いのある選手も先発に名を連ねた。そういった若手選手の爆発力を引き出すためにも、リーチがいかに落ち着いた環境づくりができるか。これも重要なポイントになってくるだろう。

 負傷者も多く、新戦力も試した国内5連戦は1勝4敗と振るわなかった。ただ、結果がともなえばW杯でも好結果につながるかはまた別の話だ。この5連戦で日本は手の内の全てを見せていない。あまり見せていない状況だからこそ、楽しみでしかない。国内5連戦で反省点、修正点はたくさん出た。それを再確認する場としても生かしてほしい。自信を持ってW杯を迎えるためにも、今回は内容と結果の両方を求めたい。(元日本代表WTB)

 ◇大畑 大介(おおはた・だいすけ)1975年(昭50)11月11日生まれ、大阪市東淀川区出身の47歳。小3からラグビーを始め、東海大仰星、京産大を経て98年に神戸製鋼(現リーグワン神戸)入社。02年12月にフランス1部リーグへ移籍。03年に神鋼に復帰し、トップリーグ初代王者へ導く。W杯は99、03年大会に出場。テストマッチ通算69トライは世界記録。日本代表キャップ58。16年ワールドラグビー殿堂入り。現在は神戸アンバサダー。

 ≪李「勢い乗ってチリ戦に」≫2試合ぶりに10番を任された李は「いい内容でいい結果を出して、勢いに乗って(W杯初戦の)チリ戦に挑めるか。凄く大事になる」と語気を強めた。国内5連戦では1勝4敗に終わり、上昇気流に乗るためにも負けられない一戦。李自身もW杯イヤー6試合目で4度目の先発とあり、現状では松田との司令塔争いでリード。「今回は承信を試す」と語っているジョセフHCの期待に応えるためにも、ゲームコントロールとキックでチームをリードする。

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