【ラグビーW杯】日本代表 8強王手 代役斎藤が流れ呼んだ 10・8アルゼンチン戦勝って決勝T決める

2023年09月30日 04:45

ラグビー

【ラグビーW杯】日本代表 8強王手 代役斎藤が流れ呼んだ 10・8アルゼンチン戦勝って決勝T決める
<日本・サモア>後半、姫野のトライに絶叫する斎藤(右)と喜ぶミラー(撮影・篠原 岳夫) Photo By スポニチ
 【ラグビーW杯フランス大会1次リーグD組   日本28―22サモア ( 2023年9月28日    トゥールーズ )】 緊急事態を乗り越え8強入りに王手をかけた。世界ランキング13位の日本は同12位のサモアに28―22で競り勝ち2勝目(1敗)。勝ち点9でD組2位に浮上した。ともに今大会初先発のSH斎藤直人(26=東京SG)とFBレメキ・ロマノラヴァ(34=東葛)が躍動し、負傷欠場した副主将SH流大(31=東京SG)の穴を埋めた。来月8日の最終戦で同9位のアルゼンチンと対戦。勝てば無条件突破が決まり、過去最高成績だった前回大会の8強に並ぶ。3戦全勝のイングランドの1位通過が決まった。
 突然やってきたW杯初先発で大仕事をやってのけた。斎藤は巧みな配球と素早いパスワークで好機を演出。流に代わる緊急先発、負ければ自力での1次リーグ突破の可能性が消滅するという重圧のかかる試合で冷静にゲームメークした。「この試合に勝たないと1次リーグを(自力)突破できないことは認識していた。(試合前日の)会見ではプレッシャーを感じないと言ったが、今になると少し感じていたと思う。勝てて本当に良かった」。チーム内MVPに選出された男はミックスゾーンで安堵(あんど)した。

 身長1メートル65のサイズでワールドクラスのプレーを披露した。見せ場は前半13分、敵陣右10メートルラインのマイボールスクラムから素早く球出し。すぐさま左展開のパスを受け取ったレメキの相手防御突破を後方でサポートへ。最後はゴール前の密集からフランカーのラブスカフニへパスを送り、先制トライをアシストした。ジョセフ・ヘッドコーチから「素晴らしいプレーをしてくれた」と称えられた。

 チーム内で斎藤の先発が決まったのは試合前日だった。「常にどっちもいけるように準備していたので動揺はなかった」と斎藤。流からは試合前に「勝たせてこいよ」と激励をもらい「大さんの分まで背負ってプレーすると決めていた」。早大4年生だった前回大会は「いちファンとして」テレビ越しに日本代表を応援。20年のサントリー入団以降は、当時から代表だった流の背中を追いかけ「全てを上回れるように」とライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)した。「“ギスギスしてんじゃないの?”って言われることがあるけど、そこは全然なくて、仲がいい」。グラウンド外では兄のように慕う先輩の思いも胸に刻んで背番号9のジャージーに袖を通した。

 2大会連続8強入りへ王手をかけた。アルゼンチンに勝利すれば、無条件で1次リーグ突破が決まる。「必ず勝ちたい。しっかり準備する」。小柄な桜戦士は、さらなる高みを見据えた。

 ◇斎藤 直人(さいとう・なおと)1997年(平9)8月26日生まれ、神奈川県出身の26歳。3歳で競技を開始。神奈川・桐蔭学園高―早大を経て20年4月にサントリー(現東京SG)入り。早大4年時には主将を務めて大学日本一を経験。20年にはサンウルブズでもプレーした。21年6月の全英&アイルランド代表戦で初キャップを獲得し、通算18。1メートル65、73キロ。

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