二所ノ関親方が九州場所占う 関脇・琴ノ若に期待「自分の形つくって」 豪ノ山が台風の目?

2023年11月12日 04:40

相撲

二所ノ関親方が九州場所占う 関脇・琴ノ若に期待「自分の形つくって」 豪ノ山が台風の目?
稽古に励む琴ノ若 Photo By スポニチ
 大相撲九州場所は12日に福岡国際センターで初日を迎える。横綱・照ノ富士(31=伊勢ケ浜部屋)と元大関の朝乃山(29=高砂部屋)が休場。綱獲りの可能性がある大関・貴景勝(27=常盤山部屋)も首の不安でトーンダウンと納めの場所は誰が勝ってもおかしくない混戦模様だ。本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は三役に定着して6場所目の琴ノ若(25=佐渡ケ嶽部屋)の大変身を期待した。
 最近の傾向では照ノ富士が不在となると、優勝ラインが下がり、誰が優勝するか分からない混戦場所となります。優勝候補と言われれば正直悩みますが、期待は元気な関脇の3人。なかでも琴ノ若が「推し」です。場所前の一門の連合稽古でも抜けて良かったし、今年は三役で5場所連続勝ち越し。かなり力をつけた印象です。

 相手の力を吸収する柔らかさなど恵まれた体をより生かすためには、積極的に自分の形になるんだという姿勢を見せることが必要です。これまでは左でも右でも取れてしまうので器用貧乏なところが散見された。「琴ノ若ならこの形」ということを主張することが求められます。

 左でまわしを取って右を差すとか、そのまま体を詰めて寄っていくなど積極性が出てくれば相手も慌ててくる。相手に「立ち合いで当たってくる」という印象を持たせる方が自身の取り口にも幅が出てきます。出足を恐れて警戒させることで逆に自分のやりたいことができる利点もある。これまではあっけなく負ける相撲や取りこぼしも目立ちましたが、それを解消できそうな雰囲気は徐々に伝わってきます。もう大関を意識してもいい時期です。

 大栄翔は波の大きい突き押しながら今年は5場所中4場所で2桁。いい場所と悪い場所がはっきりしていたのが最近は安定感が出てきました。勝っても負けても力を出し切っていますし、大きな連敗をしなくなったのは成長の証です。楽しみなのは豪ノ山。差しても抜いて巻き返して押してくるし、押されても押し返してくる。台風の目になる可能性は高いです。

 貴景勝は、体のバランスの悪さが首などに影響を及ぼしたのでは、と見ています。ただし、数ミリ感覚のズレの調整で戻せることもあります。私の現役時代も直前の修正で不安を一掃したこともありました。腰などの安定感が大事な力士だけに修正できれば、出場最上位の力を発揮できると信じています。(元横綱・稀勢の里)

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