宇野昌磨が激白「闘争心が今、本当に薄い」それでも試合に挑み続ける意味

2023年11月12日 15:49

フィギュアスケート

宇野昌磨が激白「闘争心が今、本当に薄い」それでも試合に挑み続ける意味
<フィギュアスケート中国杯>一夜明け会見の宇野昌磨(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 フィギュアスケートGPシリーズ第4戦中国杯で男子準優勝の宇野昌磨が12日、重慶で一夜明け取材に応じた。世界選手権2連覇中の王者が頂点をアダム・シャオイムファ(フランス)に譲る形となったが、「(表彰式で)自分が優勝するよりも今回のアダムくんとかが優勝して喜んでいる姿を見ると凄くうれしい。自分自身が結果に対する気持ち、競技に対する闘争心とかが今、本当に薄いんだろうなと思った。みんな優勝してほしいなって気持ちでした」と率直な思いを語った。
 結果にこだわり続け、世界選手権を2連覇した。その先の景色は、未知の世界。「日々の練習はやりがい持って楽しいと思う時がある。今後、競技、試合で何をモチベーションにしてやっていくのは、どうなるんだろう…」と明かす。

 昨年の世界選手権後、宇野昌磨にしかできない表現の領域を模索し続けている。「とりあえずシーズンオフを過ごそう、と。凄い居心地が良く、楽しかったんですけど、やっぱりショーをやっていくにあたって今の自分の立場ではまだ力不足だと痛感した」と言う。アイスショー「ワンピース・オン・アイス」では主役のルフィを演じるなど挑戦は止めなかった。「競技としかやってこなかったので“(スケートの)ここが魅力”と言うのが難しい人ではあったんですけど。初めてスケートそのものが面白いと思えた」という発見もあった。

 世界王者として、今後はどう自身と向き合い続けるのか。宇野は「スケート界にも、今後の自分にとってもプラスになる立ち回りはしたいと考えている」と話す。「競技に対するモチベーションが難しいっていうのは、それは僕の話」と言い「たくさんの若い人が競技に全力を注いで、本当に素晴らしい。試合に対する気持ちの持ち方で比べたら、みんなの方がここで絶対やり切る強い思いがあると思う」と認める。

 その上で「僕はネーサン(チェン)、ゆづくん(羽生結弦さん)がいたからこそモチベーションになっていた。そういう存在になれているなら、その責任を全うしたいと思いますし。自分にできる限り、今後、引退したとしてもスケートに関わっていくことは間違いない。自分のためにも、みんなのためにも、年齢も上ですし、ちゃんと引っ張って、スケート界を盛り上げられるよう自分が立ちまわれたら。もちろん自分が苦しくない方向性で、自分を確立しつつ、自分のできることをやっていきたい」と競技会に挑み続ける意味を見いだした。

 今季は始まったばかり。「練習自体は凄い僕は好き。昔は、頑張って練習して試合でできなかったら凄い落ち込んだ。別に今は、日々の練習の方が楽しいので。仮にもし試合ができなくても全然落ち込まない」と心境の変化を包み隠さず明かす。「逆転したのかなと思います。試合のために練習を頑張っていたものが、練習のために試合をする、試合があるという感じに変わった。あまり試合に楽しさを求めないと今思った」。宇野らしく、飾らず、あくまで自然体でスケートと向き合っていく。

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