中日・高橋宏 プロ初完投初完封で2カ月ぶり2勝目 ピンチでも冷静「一喜一憂しないように」

2023年06月14日 07:00

野球

中日・高橋宏 プロ初完投初完封で2カ月ぶり2勝目 ピンチでも冷静「一喜一憂しないように」
<中・ロ>プロ初の完封勝利を挙げ、ガッツポーズする高橋宏(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【交流戦   中日7―0ロッテ ( 2023年6月13日    バンテリンD )】 自己最多125球目、最後の打者をスプリットで投ゴロに仕留めた中日・高橋宏は右手を握りしめた。落としかけた白球を握り直して一塁送球した場面を振り返り「落としたのでヤバいと思いましたが落ち着いて投げられました」と照れながら、プロ初完投初完封で飾った自身2カ月ぶり2勝目をかみしめた。
 「一喜一憂しないようにと思っていました。点が入ったとか、打たれたとか、感情の浮き沈みがないように」

 危機を背負っても、冷静だった。6回に連続四球で無死一、二塁を招いたが、続く中村奨を外角152キロ直球で二ゴロ併殺。最後は山口を外角155キロ直球で見逃し三振。150キロ台中盤の直球は球威抜群で、左右に投げ分けて落とす高速スプリットも効果的だった。3点以上の援護を受けたのは今季初勝利だった4月6日のヤクルト戦以来2度目で、散発5安打、9奪三振の快投で援護に応えた。

 絶対に負けられなかった。6回3失点だった5月28日DeNA戦で喫した6度目の敗戦で、実は“崖っ縁”に立っていた。暗記して、自らに言い聞かせるように何度も唱え続けてきた数字が「8勝6敗、防御率1・95」。目標にするオリックス・山本の高卒3年目の成績だ。「いい目標が目の前にいる。その3年目を超える。それは最低限。チームに核ができればプラスで、絶対チームは強くなる」。そんな思いが詰まったマウンドだった。

 規定投球回に到達し防御率2・10はリーグ4位、70奪三振は阪神・村上の69個を抑えてリーグトップに立った。それでも「2勝6敗の投手なので。三振100個を取って勝てるならいいですが、その数字は意識していないです。2勝6敗の投手なので」。次世代エースが、苦境が続くチームを引っ張り上げる。(湯澤 涼)

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