オリックス・由伸 「雰囲気にのまれないように冷静に」人生初の甲子園勝利 防御率もトップに浮上

2023年06月14日 06:30

野球

オリックス・由伸 「雰囲気にのまれないように冷静に」人生初の甲子園勝利 防御率もトップに浮上
<神・オ>2回、大山から空振り三振を奪う山本(撮影・成瀬 徹) Photo By スポニチ
 【交流戦   オリックス2―0阪神 ( 2023年6月13日    甲子園 )】 聖地初先発したオリックス・山本が、8回2安打無失点の快投でリーグトップタイの6勝目。人生初の甲子園での勝利を飾った。最速157キロの速球と切れ味鋭い変化球で今季最多となる毎回の11三振を奪い、お立ち台で充実の笑顔を見せた。
 「相手も好投手だったので、立ち上がりから丁寧に投げられた。本当に1点もあげられない気持ちだったので気を引き締めて最後まで投げられた。それがいい結果につながったと思う」

 同学年の甲子園優勝投手・村上との投げ合いが、エースのハートに火をつけた。最大のピンチは2点優勢の7回。2死から前川への死球と味方の失策、坂本の内野安打などで満塁とし、打者・木浪を迎えた場面だ。

 球場全体から湧き起こる虎党の大声援が山本を包み込む中、最後はカウント1―1から渾身(こんしん)の155キロ直球で遊ゴロに仕留め、珍しくマウンドでガッツポーズを見せた。

 「球場の歓声もすごかったし、とにかく盛り上がっていたので、雰囲気にのまれないように冷静に投げた」

 指揮官不在のピンチも救った。この日は中嶋監督が体調不良のため欠場し、水本ヘッドコーチが代行監督として指揮を執った。不安な空気が漂う中で初回から157キロをマークするなど飛ばし、4回2死まで無走者投球。ベンチに気を使わせることなく、試合を落ち着かせた。

 「甲子園のマウンドや景色に合わせて調子をどんどん上げていくことができた。しっかり下半身を使って投げられた。上半身まで力が伝わって、いいボールは多かった」

 この勝利でチームは交流戦通算200勝に到達。首位ロッテとゲーム差なしに肉薄し水本ヘッドコーチも「本当にナイスピッチング」と絶賛した。

 交流戦は3戦3勝。24イニングで1点しか取られておらず、21年以来2度目のMVPも視野に入った。規定投球回にも到達し、防御率は1・59でトップに浮上。「感覚はすごくよかった。もっともっとよくなると思う」。背番号18が早くも無敵モードに突入した。(中澤 智晴)

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