大阪ガス　2大会ぶりVへ好発進！“近本2世”が逆転呼んだ「恩返ししたいと思っていました」

2023年11月10日 06:00

野球

大阪ガス　2大会ぶりVへ好発進！“近本2世”が逆転呼んだ「恩返ししたいと思っていました」 — ＜大阪ガス・東芝＞4回2死満塁、大阪ガス・橋本は中前に2点適時打を放つ　（撮影・奥　調）　 Photo By スポニチ

【社会人野球日本選手権第2日・1回戦大阪ガス7―5東芝（ 2023年11月9日京セラD ）】 1回戦3試合が行われ、26度目の出場となった大阪ガスは東芝に7―5で逆転勝ちし、2大会ぶりの優勝へ好発進した。トヨタ自動車は日本製鉄鹿島、日本製鉄かずさマジックはKMGホールディングスを破り、それぞれ2回戦に進出した。

　大阪ガスの逆転勝利を呼んだのは、復活した近本2世だった。「1番・右翼」の橋本典之が同点の4回2死満塁で中前へ一時勝ち越しの2点打を決めると、3―5の7回1死無走者で放った二塁打は一挙3点の逆転劇につながった。「予選では迷惑をかけた。恩返ししたいと思っていました」。2安打2打点の活躍で、離脱していた日々も少しばかり報われた。

　身長1メートル66の小兵、左投げ左打ち、50メートル走6秒0の俊足外野手、パンチ力ある1番打者――。多くの共通点からOBの阪神・近本と比較されてきたプロ注目の好選手だ。しかし、8月の練習試合で死球を受けて右手首を骨折した。9月の近畿地区代表決定戦に出場できずに最後のアピール機会を逸し、ドラフト解禁年の今秋はNPB球団から調査書が届かなかった。「今回は指名される可能性がなかったので悔しいとかもなかった。でもプロ野球選手になりたいという思いも捨てきれない」。実戦復帰は9月下旬。来秋への再出発とするマルチ安打となった。

　前田孝介監督からは「橋本が1番にいれば、打つ方だけでなく走塁面も含めて攻撃に幅が出る」と信頼を寄せられた。「こうして多くの方に応援されながら野球をできることはなかなかない。幸せです。大阪ガスに来て良かったです」。京セラドームには、一塁側観客席を埋め尽くすほど大勢の社員が応援に駆けつけた。日本シリーズでMVPを受賞した近本のように、1番打者が2大会ぶりの頂点へとけん引する。　（河合　洋介）

　◇橋本　典之（はしもと・のりゆき）2000年（平12）1月3日生まれ、島根県出身の23歳。小学1年に荒木野球スポーツ少年団で野球を始める。大社中を経て、出雲では高2夏に背番号8で甲子園出場。慶大では1年春からリーグ戦に出場。大阪ガスでは都市対抗と日本選手権の2大大会に2年連続で出場（23年都市対抗は補強選手）。50メートル走6秒0、遠投110メートル。1メートル66、70キロ、左投げ左打ち。