ソフトB戦力外の奥村が引退決断 4軍ファーム投手コーチ補佐就任へ 31歳育成右腕に球団が打診

2023年11月10日 02:00

野球

ソフトB戦力外の奥村が引退決断 4軍ファーム投手コーチ補佐就任へ 31歳育成右腕に球団が打診
現役引退を決めた奥村
 鷹のオールドルーキー第2章が、始まる。ソフトバンクに18年ドラフト7位で入団後、今季まで育成右腕としてプレーした奥村政稔投手(31)が現役引退を決断し、来季から4軍ファーム投手コーチ補佐に就任することが9日、濃厚となった。高校、大学、社会人、支配下、育成選手と様々な境遇で強気に投げ抜いてきた剛腕かつ苦労人は球団からの打診を承諾し、ソフトバンクの投手陣底上げのために入閣することになりそうだ。
 大学中退後の社会人チームは会社統合。8歳で始めた野球は23年間、波乱万丈だった。さらにプロ5年間も激動だったが奥村は強気に投げ抜いた。妻子持ちの社会人右腕として26歳でソフトバンク入団。31歳の育成腕として10月5日に戦力外通告を受けた。直後には潔くユニホームを脱ぐ決意を固めていた。

 22年秋に右肘を手術。今季の背番号は3桁の「126」だった。22年まで付けた「61」は今夏に外国人左腕ヘルナンデスに移っていた。プロ1勝は刻めなかった。ただ、球団は経験と姿勢、気迫を指導者として期待。奥村は9日までに、4軍ファーム投手コーチ補佐就任を打診された。

 近い関係者によると、オファーを受諾し入閣する可能性が高いという。筑後ファーム施設で2~4軍までの若鷹投手陣を指導する予定だ。自身が達成できなかったプロ1勝、そして支配下再登録者を輩出させる思いが強い。

 入団時から最速154キロの直球、カットボールにフォーク。変化球も多彩な即戦力の剛腕だったが、初先発の出番は30歳で巡ってきた。22年8月29日のロッテ戦。5回4安打1失点の好投も報われなかった。2度目の先発は同9月13日西武戦。3回完全も、4回から登板した2番手・森に白星が付いた。「正直な気持ちを言えばもう少し長いイニングを投げたかったですが」が第一声だった。

 1メートル76、79キロ。決して大きくないが、強心臓がマウンドでさらに威圧感を与えた。心・技・体ともに投手陣の再建に必要と判断された奥村はもう一度、ソフトバンクのユニホームに袖を通すことになりそうだ。

 ◇奥村 政稔(おくむら・まさと)1992年(平4)8月14日生まれ、大分県中津市出身の31歳。小学3年から競技を始め、中津商では甲子園出場なしも最速147キロを刻む。九州国際大を2年で中退後に三菱重工長崎、会社統合した三菱日立パワーシステムズでプレーし17年の都市対抗本戦4強に貢献。18年ドラフト7位でソフトバンク入団。1軍通算成績は21試合に出場し26回2/3を投げ0勝1敗、3ホールド、防御率4.73。背番号は61→126。1メートル76、79キロ。右投げ右打ち。

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