埼玉「センバツ21世紀枠」県立・坂戸高校を初推薦 高い国際意識&“カッパ着てでも練習”雑草魂を評価

2023年11月10日 21:40

野球

埼玉「センバツ21世紀枠」県立・坂戸高校を初推薦 高い国際意識&“カッパ着てでも練習”雑草魂を評価
21世紀枠候補に推薦された埼玉・県立坂戸高校野球部 Photo By 提供写真
 埼玉県高野連は10日、来年3月に開幕する選抜大会の21世紀枠候補に、秋季埼玉大会で快進撃を見せ創立初の8強入りを果たした県立坂戸高校を推薦すると発表。同校が候補校に選出されるのは、1971年の創部以来初の快挙となった。
 同高野球部は1971年の開校とともに軟式野球部として発足し、78年に硬式に転向。過去1986、1998、2009年に春季県大会8強入りを果たしたが、近年は低迷していた。そんな中、「トレーニング」に着目した宮川浩之監督指揮の下、2021年第103回全国高等学校野球選手権埼玉大会では夏初となる16強入り。さらに今秋、1990年以来33年ぶりとなる秋の県大会初戦突破を果たすと、勢いそのままに創立初となる8強入りの快挙を成し遂げた。

 県高野連は、推薦理由を「普通科と外国語科を併設し、“文武に秀で、地域に愛され、国際感覚を持つ社会のリーダーを育てる学校”として、生徒たちは学業、進路実現(昨年度は国公立大学、難関私大合格者約100人)と部活動(加入率90%)を両立している」と文武両道の姿勢を支持。また、同県教育委員会事業が定める4つの教育事業を果たし、「地域に根差し、地域の中枢を担う高校」として評価された。

 その中で、野球部独自の練習に着目。県高野連は「部員全員が自宅から通学し、一般入試に合格して入学した生徒。グラウンドはサッカー部、陸上競技部、ハンドボール部、ソフトボール部と共用で、雨天練習場もない。また、『7時間授業』と独自の進学路線を進む中で下校時刻が定められるなど制約が多い中、雨天時はレインコートを着用し、通常に近い活動をするなど練習方法を工夫している」と日々の練習での工夫を挙げた。

 また、「どんな場所でも野球の練習はできる」を合言葉とし、近隣の坂道や階段などを練習場としてトレーニングに励む部員の姿勢を高く評価した。

 さらに県高野連は「卒業生の中には、早稲田大、学習院大等に進学し、大学野球界でも活躍している選手もいる」とし、「今年の秋季埼玉県高等学校野球大会では5位(ベスト8)、第103回全国高高校野球選手権埼玉大会ではベスト16と、着実に力をつけている。私立高校が多い埼玉県西部においては、一校あたりの部員数が大幅に減少する点を考えると、21世紀枠の基準を十二分に満たしていると考えられ、推薦することを決めた」と発表した。

 同校の宮川浩之監督は、スポニチアネックスの取材に対し「部員の意識が高い」と納得。「『7時間授業』で下校時刻が決まっており、練習時間の限られる中で、時間を1秒たりとも無駄にしないよう、グループ分けをして効率良く練習を重ねてきた」と、自ら考え、学業との両立を第一に効率を求めた練習が結実したと分析した。

 また、宮川監督は特に「トレーニング」を重視。「シーズンを通して体づくりを課題としているので、故障者が非常に少ない」と胸を張り、1年を通して戦い抜けるフィジカルへの自信をのぞかせた。

 その上で「飛び抜けた選手はいない」とし、「打撃は4番で主将の阿部を中心に、投手は大戸、岡野、浜野、高橋ら継投でつないできた。非常にまとまりのあるチーム」と評した。(中村 綾佳)

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