西武“地獄の高知キャンプ”1日10時間の猛練習に見えた松井監督の覚悟「やった時間は自信になる」

2023年11月10日 07:15

野球

西武“地獄の高知キャンプ”1日10時間の猛練習に見えた松井監督の覚悟「やった時間は自信になる」
松井監督(左)の視線の先でロングティーする渡部 Photo By スポニチ
 「やるしかない!」。1日から高知・春野で始まった西武の秋季キャンプテーマ。発案者は松井稼頭央監督(48)だ。就任1年目の今季は5位に終わり、世代交代の過渡期を迎えている若手野手の奮起を促している。
 指揮官の一日は、とにかく忙しかった。9時半からウオーミングアップが始まり、全体練習が終わるのは17時半頃。キャンプメンバーに選ばれた若手野手15人がメイン球場、室内、2つのサブグラウンドを使って打ち込みや、特守など各自の課題に合わせたメニューに取り組む。もちろん、全てを見られる訳ではないが、タイムスケジュールを頭に入れ、広大な春野総合運動公園を駆け回った。

 3日目は13時~室内で育成・モンテルに身ぶり、手ぶりの打撃指導。発展途上の大型外野手に熱視線を送っていると、何かを思い出したかのように隣接するサブグラウンドへ。三塁にはノックを受ける佐藤龍と渡部がいた。レギュラーが確定していないホットコーナー争いも激しく、2人で20球連続ノーエラーをクリアするまで終わらない。20分ほど見届けると、走ってメイン球場に移動してフリー打撃を視察。少し息を切らしながら「一人で回るのは結構、大変やね。なるべく全員を見たいけど、どこかに時間を割けば、他が足りなくなるからね」。長いようで短い1日。時にはノックを打ち、打撃投手も務めてナインとの“距離”を大切にしているように見えた。

 第1クール最終日は午後の20分間の休憩中にカーブマシンの右打席に立った松井監督。西川のバットで左翼席に柵越えを放ち、スタンドのファンから拍手を受けると「筋トレの成果が出たかな。あと、バットがいいね」と満足げ。現役時代をほうふつとさせるシャープなスイングで球場を沸かせるファンサービスは圧巻だった。

 19~21時は希望制で夜間練習を実施。夜な夜な室内練習場から打球音が聞こえてくる。選手の手はマメだらけで第1クールからテーピングで覆っている姿もあった。「たくさん練習すればいいという問題か、どうかは分からない。でも、やった時間は自信になると思うし、これでダメなら練習が足りないと思ってもらえたらね」と松井監督。課題は得点力不足解消と若手の底上げ。このままではいけない――。逆襲を期す来季に向け、選手と首脳陣の覚悟を感じる秋キャンプだった。(記者コラム・福井 亮太) 

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