大谷代理人・バレロ氏明かした ド軍決断前エンゼルスに「最後に話し合う権利」あったがオーナーは対抗せず

2023年12月16日 02:30

野球

大谷代理人・バレロ氏明かした ド軍決断前エンゼルスに「最後に話し合う権利」あったがオーナーは対抗せず
ネズ・バレロ氏(左)と笑顔の大谷(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 大リーグの歴史に残る大谷争奪戦で、代理人を務めるネズ・バレロ氏(60)は最後まで「隠密交渉」を貫いた。今月上旬のウインターミーティング中も雲隠れ。このため情報が錯綜(さくそう)し、他のFA選手の交渉も停滞した。交渉球団にかん口令を敷く手法は米メディアから厳しい批判を浴びた。それでもブレなかった。「沈黙を守ってきたのは理由がある。最高の結果を得るにはそれが正しいことだと思った。これが私のやり方」と説明した。
 この日初めて舞台裏の一部を明かした。大谷がドジャース入団を決断する直前、エンゼルスに「本当に再契約しないのか?」と最終確認したという。「彼らには最後に話し合う権利があった。なぜなら翔平はそこでプレーするのが好きだったし、そこに関わる全ての人を愛していた。彼らにはあらゆるチャンスがあったが、うまくいかなかった」。最終候補に残っていたジャイアンツもブルージェイズもド軍と同等の条件を用意したが、ロサンゼルス・タイムズ紙によると、エ軍のアート・モレノ・オーナーは対抗するオファーを出さなかったという。

 大手代理人事務所「CAA」の共同創設者でもあるバレロ氏は、これまで斎藤隆(元ドジャース)、青木宣親(現ヤクルト)らの日本人選手も担当。メディアを利用して選手の価値をアピールする代理人も多いが、バレロ氏と親しい関係者は「彼は情報漏れを嫌う。日本人の考えや性格もよく知っていて、細かい気遣いもできる」と語る。今回も大谷から年俸後払いの提案を受けると、労使協定に金額や期間の制限がないことに着目し、「97%後払い」という前代未聞の契約を締結させた。

 最後まで「選手ファースト」を貫いたバレロ氏。全てを戦略通り、そして完璧に遂行したが、ド軍との契約合意日が、日本ハム入団表明(12年)、エンゼルス入団会見(17年)と同じ12月9日だったことを聞かれると「それは偶然」と笑った。

 ≪エ軍モレノ・オーナーに「史上最悪」の厳しい声も≫最終段階でド軍と同じ総額7億ドルの条件提示を拒んだことが明らかになったエンゼルスのモレノ・オーナーに対しては、SNSでも「史上最悪のオーナー」など厳しい声が飛んだ。ロサンゼルス・タイムズ紙のジャック・ハリス記者は「仮にドジャースと同等のオファーを出していても残留したかは分からない」としながらも「モレノ氏が気乗りしなかったことで、大谷と再会する可能性が消滅した」と伝えた。

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