【REPORT】最強で最高の(G)I-DLE!唯一無二の世界観で超満員の観客を魅了したSuper Ladyたち

2024年09月06日 17:30

2024年8月3日、4日に韓国ソウルのKSPO DOMEから始まり、2024年11月のシドニー公演までアジア・アメリカ各地を含む世界14都市を巡るワールドツアー『2024 (G)I-DLE WORLD TOUR [iDOL]』を開催中の(G)I-DLEが、8月31日、9月1日の2日間に渡り、東京・有明アリーナで『(G)I-DLE WORLD TOUR [iDOL] IN TOKYO』を開催、約2万人を魅了した。この記事では全席完売となった9月1日の東京最終公演の模様をレポートする。
 

アイドルへの偏見を打ち破る!規格外の(G)I-DLE

2022年の「2022 (G)I-DLE WORLD TOUR [JUST ME ( )I-DLE]に始まり、2023年には「2023 (G)I-DLE WORLD TOUR [I am FREE-TY]と、3年連続でワールドツアーを開催し、日本でも有明アリーナ2daysを完売させるほどの人気を確立した(G)I-DLE。

今回のワールドツアーのタイトル『2024 (G)I-DLE WORLD TOUR [iDOL]』は、明確に言葉で説明はされていないのだが、公演の合間のコミカルなVCR映像を見ると、(G)I-DLEというグループ名を構成するI(英語の私)+ドゥル(韓国語で~たち)から、Eがなくなり代わりにOが追加された単語iDOLのタイトルには、これまで女性らしさや様々な社会的偏見を楽曲とパフォーマンスで打ち破ってきた (G)I-DLEが、アイドルへの偏見を打ち破ることを今回のワールドツアーのテーマにしているのではないだろうかと感じる。

今回の公演では、統括プロデュースをリーダーのソヨンが担い、5人の個性豊かなメンバーたちの意志が反映された楽曲や、パフォーマンスで唯一無二の存在感を確立してきた(G)I-DLE。「TOMBOY」などの大ヒット曲やデビュー曲「LATATA」はもちろん、NEVERLAND(ファンダム名)とのコールアンドレスポンスで一体感を感じる曲、夏にぴったりのさわやかな曲、そしてメンバーのソロステージまで、全25曲2時間半以上に渡り超満員の観客を目でも耳でも存分に楽しませ、(G)I-DLEが規格外のアイドルであることを感じさせた。
 

美しく、貫禄十分の5人の姿に見惚れる

『2024 (G)I-DLE WORLD TOUR [iDOL] IN TOKYO』は、暗転で静まり返った会場にソヨンの「I am the top, super lady」という鋭く力強い高音パート響く「Super Lady」からスタート。観客のテンションが一気にヒートアップしたと同時にメインステージ上の巨大なLEDが開き、メンバー5人が仁王立ちで登場する演出に痺れてしまう。“Super Ladyと呼んで” “私についてきて“というフレーズを堂々と歌う5人の姿に、この後のステージへの期待は自ずと高まる。

メンバーが韓国イルイルドラマのようなドロドロの復讐劇を演じたMVでも話題となった 「Revenge」のドラマテックなパフォーマンスに続いては、デビューアルバムのタイトル曲「LATATA」のステージへ。ムーンバートントラップの軽快で情熱的なビートに合わせ、大歓声を浴びながらセンターステージに歩いてくる姿は、美しく、貫禄十分で思わず見惚れてしまう。

そんなかっこいいステージとは正反対のかわいらいしい日本語での挨拶に続いては披露したのは「Oh my god」。厳かな鐘の音とミンニの幻想的な歌声で始まり、リズムチェンジのたびに力強さを増していくメロディーは中毒性抜群。続く「VILLAIN DIES」では、ダークなビートに乗せたミヨンの美しい声や、ウギのハスキーボイスと童話の世界に迷い込んだような気分に。“私はあなたの人形じゃない 泣かない“という歌詞にアイデンティティを取り戻し自分の足で立った女性の強い意志を感じさせる「Doll」まで、3曲を続けて披露し強さとしなやかさを併せ持つパフォーマンスで魅了した。
 

バラエティ豊かな5人5色のソロステージ

VCRを挟んだ後はソロステージコーナーへ。トップバッターを務めたシュファは、南アフリカのシンガーTylaの大ヒット曲「Water」の情熱的なダンスを完璧にカバー。ソロアーティストとしても活発に活動しているウギはストリートファッションに身を包みポップな「RADIO (DUM DUM)」を、ミンニは2024年上半期にシンドロームを巻き起こした大ヒットドラマ「ソンジェ背負って走れ」OSTとして話題となった「Like a Dream」を美しい歌声で、ソヨンは1月にYouTube番組「リムジンサービス」で未公開自作曲として初公開した「Not Enoug6」をなんと日本語バージョンで爽やかに、ラストのミヨンは爽快感溢れるロックナンバーの「Sky Walking」で盛り上げ、バラエティ豊かな5人5色のソロステージで楽しませた。

古くから漫然と続いてきたジェンダーについて深く切り込んだ歌詞と、ポップなシンセサウンドの融合が話題を呼んだ「Wife」では、センターステージに設置されたLEDが上がると、エメラルドグリーンのショートボブのウィッグを模したセットが登場。お揃いのホワイトの繋ぎを着たメンバーが、皮肉めいた歌詞を可愛らしく歌い上げ、どこか余裕を感じさせるパフォーマンスは流石の一言。

ソヨンの「もっと遊べる? 手を上げて!」の声で始まったヒップホップ曲「Uh-Oh」のステージでは、「TOKYO! (G)I-DLE! NEVERLAND!」のコールアンドレスポンスで会場が1つに。ピンクのオープンカーに乗って軽やかにスタートした7月にリリースされた最新曲で、リズミカルかつレトロなサウンドで大ヒットしたサマーソング「Klaxon」では、メンバー同士目を合わせ楽しそうな笑顔が見えたのが印象的だった。
 

一瞬で世界観に引き込む!高いパフォーマンス力に驚かされる

続いてのブロックでは、青春映画のようなカラフルなバンドサウンドで、特別な活動がなかったにもかかわらず発表するや否や人気となった「Fate」、軽快なメローディーに乗せてSNS社会の弊害をストレートに表現した歌詞の「Allergy」、シンプルなギターサウンドとサビの一緒に歌いたくなる心地よいメロディの「Never Stop me」まで、(G)I-DLEのポップで明るい楽曲で盛り上げる。

クイーンとしての生まれつきの品格とカリスマを、荒々しいジャングルの王者に喩えた歌詞の「LION」と、ミヨンとソヨンが声を担当した、世界的人気のオンラインゲーム「League of Legends」内のキャラクターをベースにした4人組K-POPバーチャルグループK/DAの楽曲としてヒットした「POP/STARS」の2曲続けてのステージでは、野生とバーチャルという対極の世界観の曲を続けても、全く違和感なく一瞬でその楽曲の世界に観客を引き込むことができる (G)I-DLEの高いパフォーマンス力に改めて驚かされた。

イントロから大歓声が上がったのは、リーダーであり統括プロデューサーのソヨンが、メンバーの個性と魅力が最大限に活かされる音域に、メンバー1人1人を「赤いダイアモンド」に喩えた歌詞をのせて制作した「MY BAG」のステージ。これぞ(G)I-DLE! と言いたくなるカッコイイパフォーマンスで一気に会場はヒートアップしていく。

そんな中迎えた本編ラストは、ソヨンが楽曲発売時の記者会見で「すべての人に自分を本当に可愛がってほしい。そしてそのような姿は他の人が見ても可愛い。それを曲を聴いて感じてほしい」と話した「Queencard」と、メンバーの個性的なボーカルとロックサウンドに、「男性らしい」「女性らしい」という言葉で求められる偏見を打ち破るという思いが込められた歌詞の「TOMBOY」の大ヒット曲2曲をパフォーマンスしこの日1番の盛り上がりを見せた。
 

あいみょんの曲をカバー!日本ファンに特別プレゼント

Tシャツに着替え再び登場したアンコールでは、ミンニとウギが一緒に作業した曲で、これまでに発表した曲のタイトルやミンニのタイ語が盛り込まれたり歌詞も楽しい「i‘M THE TREND」、日本公演のために特別に用意したあいみょんの「マリーゴールド」のカバーを披露。そして2時間半以上の公演の最後を締め括ったのは、(G)I-DLEのファンダム名と同じ名前を持つ楽曲「Neverland」。これからもファンの皆さんと共に、永遠に続く旅に出るというファンへの愛がたっぷり込められたファンソングで、幸せそうな表情で満員のファンを見つめながら歌うメンバーたちの姿が印象的だった。

ソヨンを中心にメンバーの意見が反映された独自の世界観を持つ楽曲とパフォーマンスで、世界中から熱い支持を集め続ける(G)I-DLE。デビューから7年目を迎えても、真摯に音楽と社会に向き合う(G)I-DLEの来年のワールドツアーも必ず観たい! そう思わずにはいられない素晴らしい公演だった。

取材:平松道子(MIDUMU)

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