【玉ノ井親方 視点】高安は勝ちを意識し体動かず完全に自分の相撲を見失った V争いは照ノ富士に分がある

2021年03月27日 20:20

相撲

【玉ノ井親方 視点】高安は勝ちを意識し体動かず完全に自分の相撲を見失った V争いは照ノ富士に分がある
<春場所14日目>翔猿(左)に首捻りで敗れる高安(撮影・郡司 修) Photo By スポニチ
 【大相撲春場所14日目   ○翔猿(首ひねり)高安● ( 2021年3月27日    東京・両国国技館 )】 高安の優勝は厳しくなった。ここにきての連敗は本当に痛い。13日目の若隆景戦、そしてこの日の翔猿戦と、どちらも勝ちを意識してこわごわ取っている感じだった。
 まず、立ち合いから当たっていなかった。相手が動き回るのを想定して、慎重に取ろうとしたのは分かるが、左を差して四つに組んだところで、なぜ前に出なかったのか。翔猿の蹴返しを受けてようやく動いたが、まわしを引きつけながら出るべきだったのに、体ごとかぶさるように出てしまったため、土俵際で首ひねりを食ってしまった。普通はあの体勢になったら負けない。勝ちたい気持ちが強すぎて、体が動かずに攻めきれなかったのだろう。重圧がかかる終盤になって、完全に自分の相撲を見失ってしまった感じだ。

 一方の照ノ富士は日ごとに安定感が増している。朝乃山戦も終始自分のペースで取っていた。対する朝乃山も立ち合いで手を出して、右を差す考えた相撲を取ったが、生命線の左上手を取れず何も出来なかった。右の相四つで、上背もあって懐も深い照ノ富士との相性の悪さが出たような相撲だった。

 千秋楽の照ノ富士―貴景勝戦は面白い一番になりそうだ。照ノ富士が敗れると、貴景勝と高安―碧山戦の勝者による巴戦の可能性もあるが、ここまでの相撲を見る限り照ノ富士に分がありそうだ。(元大関・栃東)

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