「シットアップ」と「プランク」、どっちが腹筋割るのに効果的?

2023年11月24日 09:00

「シットアップ」と「プランク」、どっちが腹筋割るのに効果的?
6つに割れた腹筋、いわゆるシックスパックに憧れる人は多いでしょう。もちろん簡単に手に入るものではありませんし、絶対に効くトレーニング方法というものも存在しません。 しかし、同じ時間を費やすなら、腹筋を鍛えるには腹筋トレー […]

6つに割れた腹筋、いわゆるシックスパックに憧れる人は多いでしょう。もちろん簡単に手に入るものではありませんし、絶対に効くトレーニング方法というものも存在しません。

しかし、同じ時間を費やすなら、腹筋を鍛えるには腹筋トレーニングとして一般的な「シットアップ」と、体幹トレーニングで人気の「プランク」、どちらが効果的なのでしょうか?

「シットアップ」と「プランク」、どちらが腹筋を鍛えるか

どうやら「プランク」が有利のよう

結論を先に述べると、プランクがよさそうです。

もちろん、シットアップにも腹筋を鍛える効果はあります。しかし、それより短所のほうが勝っているかもしれないのです。

なぜ腹筋トレーニングの王道「シットアップ」より、体幹トレーニング「プランク」のほうがおすすめなのでしょうか。

理由1 シットアップで鍛えられる部位には限界があるため

シットアップは、腹筋を鍛えることはできても、体幹を構成する他の多くの筋肉にはあまり効果がないことが挙げられます。

シックスパックを作り上げるものは腹筋なので、そこを集中的に鍛えるのも理にかなっています。

しかしシックスパックを浮かび上がらせるには、腹筋を鍛える前に、まず腹部の脂肪を落とすほうが重要です。


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また、スポーツパフォーマンス向上という点で見ても、あらゆるスポーツに重要な体幹全体の筋力と機能向上に対する効果が小さいことは、致命的な弱点であるとも言えるでしょう。

理由2 シットアップを何回も行うとデメリットも出てくるため

一般人がシットアップをたくさん行おうとすると、一定の筋トレ効果は上がるかもしれない反面、別の弊害も出てきます。

シットアップを何回も行う弊害として、当たり前のことですが「腹筋が非常に疲労してしまう」ことが挙げられます。

「鍛えているのだから筋肉が疲労しても良いのでは?」と思うかもしれません。

しかし問題は、疲労した腹筋以外の部分を使って、シットアップ動作を形だけこなそうとしがちなことです。

そう、チーティングをしてしまうのです。

疲れてくると無意識にチーティング(ズル)しがち

シットアップをたくさんこなしているように見えて、実は股関節まわりの筋力だけを使って体を起こしているということはよくあります。

シットアップの後、腹筋は筋肉痛にならないのに、腰や足の付け根が痛くなった人は、股関節まわりの筋肉で体を起こしている可能性が考えられます。


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理由3 シットアップは故障のリスクも高いため

効果が小さいだけならよいのですが、シットアップは正しい方法で行わないと、故障のリスクが高くなります。

そして回数をこなしていくうちに、フォームも崩れていくものです。

背骨に負担がかかり、腰痛や背中の痛みに繋がることもある

通常のシットアップの姿勢は、背中と腰を地面や床に押しつけるため、本来なら自然に湾曲している脊柱に過大な負荷がかかります。

その結果、腰痛を引き起こす可能性が大きくなります。

背骨にある椎骨間にも強い圧力がかかり、その部分のディスク(椎間板)に悪影響が及ぶことも。

それを避けるためには、BOSUやバランスボールなどの器具を利用してシットアップを行うのも方法のひとつです。

BOSUの上で行うシットアップは脊柱への負担が軽くなる

首にも負担がかかり、痛みに繋がるおそれ

また、シットアップによって首の痛みが起こることもあります。回数をこなすうちに、勢いをつけようと頭部を前後に振る動きになるためです。

頭部は人体でもっとも重い部分。それを細い首で支えているわけですので、その負担に耐えられなくなるのです。

ここまでシットアップの弊害を見ていきましたが、ここからは「プランク」がシットアップより腹筋強化にオススメである理由を見ていきましょう。

「プランク」が腹筋強化にオススメである理由

理由1 シットアップより安全性が高い

プランクは、シットアップに比べると格段に安全度が高いエクササイズです。

なにしろじっと同じ姿勢で動かないわけですから、意図しない動きをして無理な負荷を体に強いることはありません。

プランクをしている男性

理由2 シットアップより広範囲の筋肉へ刺激が加わる

それだけではなく、プランクは体幹部分における広範囲の筋肉へ作用します。

脊柱への負荷を軽減しながら、肩、背中、太股、臀部、腹筋、背筋も同時に鍛えることができるのです。

理由3 時短になる

そして、プランクはシットアップに比べて、トレーニング時間がはるかに短時間で済むこともメリットのひとつです。

注意点=プランクは正しいやり方で行うこと

もちろん、正しいフォームを保たないと効果がないのは、他の筋トレ種目と同じです。プランクの正しいフォーム、そしてバリエーションについては下の記事を参照してください。


▼さらにくわしく
体幹トレーニング「プランク」を種類別に解説。正しい姿勢とやり方で効果を高める

筆者プロフィール

角谷剛(かくたに・ごう)

アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
公式Facebook

<Text & Photo:角谷剛>

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