熱海富士 初の結びの一番で大関戦初白星 トップ2敗死守、史上最速Vへ「勝ってうれしいが一番」

2023年11月24日 04:30

相撲

熱海富士 初の結びの一番で大関戦初白星 トップ2敗死守、史上最速Vへ「勝ってうれしいが一番」
熱海富士(右)が突き落としで豊昇龍を破る(撮影・中村 達也) Photo By スポニチ
 【大相撲九州場所12日目 ( 2023年11月23日    福岡国際センター )】 2敗の平幕・熱海富士が3敗の豊昇龍を破って大関戦初勝利を挙げ、首位の座を守った。2桁勝利は2場所連続、十両時代も含めると4場所連続。先場所で決定戦の末に惜しくも逃した、初土俵から所要19場所目での史上最速優勝が現実味を帯びてきた。2敗対決は、大関・霧島が関脇・琴ノ若を下して首位キープ。2敗2人を、3敗で琴ノ若と平幕・一山本が追う展開となった。
 集中モードに入った熱海富士の勢いは、誰にも止められない。大関に攻め込まれた土俵際、素早く左へ回り込んで小手投げ気味の突き落とし。立ち合いの圧力で勝っていた分、下がっても残せる余裕があった。場所中は朝稽古の最後に手を合わせて黙想するのが毎日のルーティンとなっている。約4分間も邪念を払って心を落ち着かせる集中力が、大一番の土俵際でも生きた。

 初めての結びの一番で大関戦初勝利。満面の笑みで花道を引き揚げると「勝ってうれしいが一番。体が動いてよかった」と素直に喜びを表した。優勝決定戦というこれ以上ない大舞台を先場所経験したからか、特別な緊張感はない。出番まで時間があるため「ゆっくりできる」とプラスに捉えていた。

 豊昇龍と肌を合わせるのは、巡業などの稽古も含めても今回が初めて。「器用にいろんなことができないので」と無心で挑んだ裏には、休場中の兄弟子の横綱・照ノ富士からのアドバイスがあった。具体的な内容については「秘密です」と笑って明かさなかったが、十両時代も含め豊昇龍に過去9戦全勝と攻略法を熟知している横綱の金言が生きたはずだ。

 初土俵から所要19場所目での優勝となれば、年6場所制となった1958年以降では貴花田、朝青龍の24場所を更新する史上最速となる。先場所に続いて大きな期待を背負って首位で最終盤へ。福岡市はこの日最高気温24度を記録したが、きょう24日は12度まで冷え込む予報となっている。「冬が好き。寒いところで“さむー!”って言うのが好き」と寒さを好む熱海富士が、最終盤の土俵を熱くする。

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