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【関西大学ラグビー】京産大が同校初の3連覇 逆転ゴールのFB辻野「みんなの思いを背負って蹴った」

2023年12月03日 06:00

ラグビー

【関西大学ラグビー】京産大が同校初の3連覇 逆転ゴールのFB辻野「みんなの思いを背負って蹴った」
<天理大・京産大>3連覇を達成した京産大フィフティーンと関係者(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【ムロオ関西大学ラグビーAリーグ最終節   京産大23ー22天理大 ( 2023年12月2日    花園 )】 京産大は天理大との全勝対決を23―22で制し、7戦全勝の勝ち点36で3年連続7度目の優勝を飾った。最終盤に9点差をひっくり返すミラクル劇で、同校初の3連覇を達成。初の大学日本一を目指す大学選手権は23日の準々決勝から登場する。
 諦めない気持ちが凝縮されたプレーだった。16―22で迎えた後半ロスタイム。天理大のインゴールドロップアウトから試合が再開すると、京産大は43分34秒からアタックを開始した。必死の思いでボールをつなぐと、8フェーズを重ねた44分43秒に途中出場のプロップ川口が左中間に飛び込む。これで1点差。最後は、FB辻野が難しい位置からのコンバージョンゴールを決めてミラクル劇を完結させた。

 「蹴る前に、主将の三木が“どんな結果になろうと、俺が責任を背負う”と声を掛けてくれた。みんなの思いを背負って蹴った」

 そう振り返った辻野の右足が大逆転を呼び込んだ。9点を追う後半38分、ハーフウエーラインで相手が反則するとPGを選択。50メートルものロングキックを鮮やかに沈め、これが奇跡の序章となった。

 新チームになって最初の練習試合で敗れた天理大にリベンジを果たし、同校初の3連覇を達成。先頭に立ってきた三木はうれし泣きした。多くの中心選手が抜けた今季、周りから「この代は(優勝は)無理だ」と言われてきた。三木自身、強い責任感から仲間にも厳しい言葉を投げかけながら引っ張ろうとしてきたが、開幕戦はメンバー外に。心身ともに限界を迎え、プレーの質が下がっていた。

 分岐点となったのが10月8日の立命大戦。へんとう炎による39度もの高熱を抱えながら志願してフル出場した時、元日本代表の元木由記雄GMから言葉を掛けられた。「チームのみんなはしっかりしている。お前は自分が持っているタックルをチームに伝染させることを考えろ」――。肩の荷を下ろし、目の前の相手に集中した。そこから自身もチームもうまく回り始めた。

 「自分を見失いかけた時はきつかったけど、後輩たちの力を借りながら優勝できて良かった」。3連覇は通過点に過ぎない。大学選手権は2季連続で準決勝の壁に阻まれており、三木は「全国には強い相手がたくさんいる。関西リーグ覇者に恥じない戦いをしたい」と続けた。悲願の日本一へ、ひたむきに戦い続ける。 (西海 康平)

 ≪2季連続の2位≫天理大は3季ぶりのリーグ優勝を逃した。引き分けでも優勝が決まった京産大戦で、わずか1点及ばなかった。12―13で迎えた後半26分にCTBハビリのトライで逆転に成功。一度は9点差をつけたが、土壇場でひっくり返された。悔しすぎる逆転負けで2季連続の2位に終わったが、SH北條主将は「日本一になる道が閉ざされたわけじゃない」ときっぱり。小松節夫監督も「課題を修正して、大学選手権に向かっていきたい」と先をにらんだ。

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