アメフト九州大 灘高野球部出身のWR山縣が知った「頂」の高さ「強くて速かった」

2023年12月03日 16:23

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アメフト九州大 灘高野球部出身のWR山縣が知った「頂」の高さ「強くて速かった」
<九州大・関学大>第2Q、突破を狙う九州大WR山縣(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【全日本大学アメフト選手権準決勝   関学大49―0九州大 ( 2023年12月3日    春日公園球技場 )】 勝敗は、すでに決していた。第4Qも残り2分を切り、0―49。それでも、九州大は簡単に白旗を上げない。自陣深くからの第4ダウン。スペシャルプレーで、WR兼QBの山縣肇(2年)がこの試合初めてのパスを投げる。「全然、ダメでしたね」。楕円球はだれもいない場所に落ちた。
 チームにとって10年ぶりとなる全日本選手権。初めて胸を借りた王者の印象を、山縣は「強くて速かった」とシンプルな言葉で表現した。第1Qに2本のTDを許した立ち上がり。ランプレーが主体で、山縣もダミー、ブロックの役割が中心となっても、勝利を信じて戦い抜いた。

 全国屈指の進学校として知られる兵庫・灘高出身。高校時代は野球部で正捕手を務め、高3の夏までプレーした。九州大に進学後、野球を続けるか、アメフトに転向するかで迷い、決めた理由がふるっていた。「あんまり、いい理由じゃないんですけど、野球部は黒土で、アメフトは芝生。洗濯が大変かな、と思って」。もちろん、一度志したからには全力投球。2年生でポジションを奪い、展開によってはQBも任されるほどに成長した。

 近年は西南学院大の「1強」だった九州リーグ。西田俊介主将(4年、市立西宮)ら4年生に経験者が揃ったこともあり、一つの「壁」を突破した。「今年はリーグ戦でアジャスト(適応)がうまくいった。2、3年生でプレーの中心を担う選手が多いので、来年以降も期待できる」と今季就任した今里泰洋監督はいう。連覇、そして悲願の聖地へ。王者と肌を合わせて知った「頂」の高さが、九州大をもっと強くする。

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