全国高校ラグビー今日開幕 「若狭東・敦賀工」ワンチームで戦う 部員不足による合同チーム初の花園

2023年12月27日 06:00

ラグビー

全国高校ラグビー今日開幕 「若狭東・敦賀工」ワンチームで戦う 部員不足による合同チーム初の花園
若狭東・敦賀工の選手、マネジャーたち Photo By スポニチ
 第103回全国高校ラグビー大会はきょう27日に東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。新型コロナウイルス感染拡大防止のため前回まで行われなかった開会式を4大会ぶりに実施。秋田工の大沢空主将(3年)が選手宣誓する。大会史上初の部員不足による合同チームとして出場する若狭東・敦賀工(福井)は、1回戦で目黒学院(東京第2)と対戦。過去5度の優勝を誇る強豪に「ワンチーム」でぶつかる。昨大会準優勝の報徳学園(兵庫)は19歳のSO菊川迪主将(3年)がキーマンだ。 (取材・構成 西海 康平) 
 学校の枠を超えて結束する若狭東・敦賀工が「ワンチーム」で歴史的な一歩を踏み出す。今大会から部員不足による合同チームの参加が可能となり、両校が福井代表として花園切符を手にした。指揮を執る若狭東の朽木雅文監督(51)は「反響が大きい。注目される以上、しっかり戦わないといけない」と言葉に力を込めた。

 全国高校体育連盟が1月、少子化による部員減少に伴う措置として9競技で合同チームの全国高校総体出場を認めた。ラグビーもその一つ。全国大会出場34度の若狭東は男子部員22人、敦賀工は3人。原則14人以下の学校で組むが、県内に3校しか部がない。敦賀工に試合機会を与えるため特例でチーム結成が認められ、1試合だけの県予選を制した。

 昨年度の花園に単独チームで出場した若狭東は、3年生が卒業して部員12人となった。2月の新人大会では部活動に所属していない生徒3人の協力を得て出場することができた。一方、約40キロ離れた場所に位置する敦賀工の部員は2年秋からラグビーを始めた浜野悠人(3年)だけ。朽木監督が敦賀工の藤原幹治監督(53)に「一緒に練習しませんか?」と提案した。

 春になって1年生が入り、若狭東だけで部員が22人となり、単独チームでも予選出場が可能となった。ただ、特例で合同チームを組むことが認められる見通しが立ったことから、朽木監督が主将の若泉裕太(3年)らに意見を聞くと「(敦賀工と)一緒にやりたいです」と返ってきた。若狭東は単独チームとして7大会連続で花園出場。合同チームになれば連続出場の記録は途絶えるが、ともに戦うことにこだわった。

 バレーボール部出身の楽間瑛(3年)と野球部出身の谷口世弥(3年)が加わり、敦賀工の部員は3人。合同練習は週末に限られるが、藤原監督の車で片道40分かけて若狭東を訪れ、ともに汗を流してきた。「この1年間、つながりを意識してきた。つながりを花園でも発揮して目黒学院さんに対抗したい」。若泉主将が言えば、浜野は「感謝の気持ちを持ってやりたい」と意気込む。固い絆で聖地のピッチに立つ。

 ◇朽木 雅文(くつき・まさふみ)1972年(昭47)6月15日生まれ、福井県出身の51歳。若狭東から日体大に進み、選手として花園に3度出場。前任の若狭で8度、若狭東では今回が9度目の花園出場。現役時のポジションはCTB。保健体育科教諭。兄の英次さんは元日本代表CTB。

 ▽高校ラグビーの合同チーム 原則として部員数が15人に満たない学校同士で25人を上限に編成する。構成する学校数に制限はない。少人数チームの増加を受け、2000年度の第80回全国高校大会から都道府県予選に参加。前回の第102回大会までは統廃合対象校の合同チームのみ全国大会出場が可能で、最近では第95回大会に荒尾・岱志(熊本)が出場した。

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