東龍「悔いはない」引退会見で涙 14年に右膝大ケガも…努力家の36歳に玉ノ井親方から労いの言葉

2023年12月27日 18:36

相撲

東龍「悔いはない」引退会見で涙 14年に右膝大ケガも…努力家の36歳に玉ノ井親方から労いの言葉
引退会見を行った東龍(左)と師匠の玉ノ井親方(元大関・栃東)=撮影・前川 晋作 Photo By スポニチ
 25日に現役引退を発表した大相撲の元幕内・東龍(36=玉ノ井部屋)が27日、東京・両国国技館内で引退会見を開いた。
 東龍は15歳でモンゴルから来日し、高知・明徳義塾高、九州情報大を経て玉ノ井部屋に入門。09年初場所で初土俵を踏んだ。13年初場所で新十両、同年夏場所で新入幕を果たし、現役生活15年間で幕内11場所を含む関取在位61場所を勤め上げた。

 最後の場所となった九州場所は、初日の白鷹山戦で左膝を負傷。「もともと右膝を大ケガしていてずっと左足だけで相撲取っていた。左もダメになったら本当に歩けなくなると思った」と引退の決定打となった。ケガしてすぐに帰京して治療。場所後に師匠の玉ノ井親方(元大関・栃東)と話し合い「やり切ったかな」と決断に至った。

 力士人生15年間の半分以上はケガとの闘いだった。14年名古屋場所14日目の逸ノ城戦で右膝前十字靱帯損傷、内側側副靱帯損傷の大ケガ。「その時点で終わってた相撲人生かもしれないけど…(その後)10年近く相撲取れたので悔いはないです」。苦難を乗り越えた日々を振り返ると、涙があふれた。

 東龍の力士人生最大のハイライトは今年の初場所。史上1位のスロー記録となる新入幕から所要58場所目での幕内初勝ち越しを決めた。「こんなにうれしいものかってぐらいうれしかったので、言葉にできなかったですね」。ベテランの奮闘は多くの感動を呼んだ。

 会見に同席した師匠は「稽古は誰よりも毎日コツコツやっていましたね。その積み重ねが勝ち星につながった」と努力家の愛弟子を評価。「あのケガがあったからこそ強い気持ちで続けてきたんじゃないかな。15年間よく頑張った」と労った。
 断髪式は来年秋場所後の9月28日、両国国技館の本土俵で行うことを予定しているという。

 ◇東龍 強(あずまりゅう・つよし)本名=サンドゥイジャブ・トドビレグ。1987年(昭62)5月12日生まれ、モンゴル・ゴビアルタイ出身の36歳。03年に来日し、高知・明徳義塾高から九州情報大に進学。2年時に西日本学生体重別大会無差別級優勝。3年時に西日本学生選手権準優勝。中退して玉ノ井部屋に入門し、09年初場所で初土俵。13年初場所で新十両。同年夏場所で新入幕。19年九州場所で十両優勝。幕内在位11場所。幕内成績62勝88敗15休。通算成績528勝522敗47休。1メートル92、155キロ。

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