【玉ノ井親方 視点】照ノ富士は一枚も二枚も上 琴ノ若は絶対に倒したいという気持ちになったのではないか

2024年01月28日 19:45

相撲

【玉ノ井親方 視点】照ノ富士は一枚も二枚も上 琴ノ若は絶対に倒したいという気持ちになったのではないか
<大相撲初場所千秋楽>優勝決定戦、照ノ富士(右)に寄り切りで敗れ、悔しそうに土俵に戻る琴ノ若(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 【大相撲初場所千秋楽 優勝決定戦   ○照ノ富士(寄り切り)琴ノ若● ( 2024年1月26日    東京・両国国技館 )】 見事な横綱の優勝だった。挑戦者の琴ノ若は着実に力をつけてきているとはいえ、まだまだ照ノ富士の方が一枚も二枚も上だった。
 決定戦では琴ノ若にもろ差しを許すが、想定内だったろう。下がりながら左で振って、相手の意識をそちら側に向けさせ、反対側の右を素早く巻き返して右四つになった。こうなれば横綱の万全の形。寄りながら最後はもろ差しになって勝負を決めた。もろ差しになられてから、横に振って右を巻き返すまでの動きが滑らかで、すべて計算通りといった感じだった。

 今場所の序盤は、相撲勘も体調も回復途上で危なっかしい動きも見られた。しかし、取組を重ねるごとに内容がよくなった。終盤に尻上がりに状態が良くなっていったのは、経験のたまもの。本人は当然勝負できると思って出場してきたのだろうが、よくぞここまで取り切ったと頭の下がる思いだ。

 一方の琴ノ若は善戦した。横綱の強さを肌で感じ、改めて倒そうという闘志が湧き上がってきたのではないか。これで大関昇進は確実になった。ただ、本当の勝負はここからだ。大関は常に優勝争いに絡む成績が求められる。その地位には責任も伴う。

 熱海富士や大の里のような力のある若手も出てきている。油断していると追い越されると肝に命じ、精進することが大事だ。
(元大関・栃東)

おすすめテーマ

2024年01月28日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム