尊富士「駄目だと思った」前夜 強行出場の裏側 横綱・照から「お前ならできる」で決断「一生悔いが残る」

2024年03月24日 17:56

相撲

尊富士「駄目だと思った」前夜 強行出場の裏側 横綱・照から「お前ならできる」で決断「一生悔いが残る」
<大相撲春場所千秋楽>喜びをかみしめる尊富士(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 大相撲春場所千秋楽の取組が24日、エディオンアリーナ大阪で行われ、東前頭17枚目の尊富士(24=伊勢ケ浜部屋)が西前頭6枚目の豪ノ山(25=武隈部屋)を押し倒しで破り13勝2敗で初優勝を決めた。前日の朝乃山戦で右足首を負傷し、出場も危ぶまれた中での強行出場で気迫の一番を見せた。新入幕優勝は1914年(大正3年)夏場所の両国以来110年ぶりの快挙。初土俵から所要10場所目での優勝は両国の11場所目を抜く史上最速となった。
 脚をひきずりながら重い初賜杯を受け取った24歳の若武者。優勝力士インタビューで、部屋頭で尊敬する横綱・照ノ富士が先場所に優勝した際にパレードのオープンカーに同乗した際に「自分もこの景色が見たい」と語っていたが、実際に偉業を成し遂げ「まさかできるとは…」とはにかんだ。支度部屋では「気力だけだと思いました。もうやるしかないので。昨日歩けなくて駄目だと思ったけど、横綱から“お前ならできる”と言われたのでそのおかげです。師匠からは“やめとけ”と言われたけど、これで後悔したら一生悔いが残ると思って土俵に上がりました」と明かした。

 師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は解説者としてNHKの生放送に出演。弟子の快挙に感極まった表情で「いや~うれしいですね」とポツリ。また、尊富士の右足首の状態について相撲が取れるような状態だったのかと聞かれると「まあ無理でしょうね。靭帯(じんたい)が伸びてますから」と言及。続けて「(負傷直後)最初はちょっと無理ですって言ってきたんですが、夜になったら1人で部屋に入ってきましてね“やっぱりやりたい”って。痛み止め打ったり何をしてでも、この一番をやりたいんだと」と本人から強いアピールがあったことを明かしていた。

 青森県五所川原市出身で鳥取城北高、日大と強豪校を歩んだ。22年秋場所で初土俵を踏むと序ノ口、序二段、三段目は1場所で通過。今年初場所に新十両に昇進すると13勝を挙げて新十両優勝を果たし、部屋の横綱・照ノ富士とアベック優勝でパレードでは旗手を務めた。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2024年03月24日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム
`; idoc.open(); idoc.write(innerHTML); idoc.close(); });