尊富士「千秋楽…土俵に上がれて良かった」照に続く目標「まさか」靭帯伸びていた…脚を引きずり表彰式に
2024年03月24日 17:39
相撲
「ありがとうございます!」
優勝インタビューで24歳の新ヒーローは「本当に…千秋楽…土俵に上がれて良かったなって安心しています」と安どの表情で語った。右足首の状態について、そして出場を決め、どんな決意で土俵に上がったか聞かれ「体的にもきつくて…。でも絶対に自分が最初の頃に15日間しっかり土俵に上がることを、務めることが力士として(大事なこと)と思ったんで。もう本当に自分自身でも優勝を勝ち取りたくて…はい、しっかり上がることができてホッとしています」と笑顔交じりで語った。
記録ずくめの初賜杯。しかし、ずっと言い続けてきた言葉を証明するように「記録も大事ですけど、皆さんの記憶に一つでも残りたくて必死で頑張りました」。一つ一つの問いかけに応えるたびに起こる大歓声。強行出場を決めた理由の一つとして「このケガじゃ、ちゃんとした相撲を取れないと思っている人もいたと思いますけど、ここで負けたら皆さんが15日間大阪場所に足を運んできた意味がないと思ったんで、そこらへんは自分でじっかり考えて上がりました」と話すと、館内から地響きのような大歓声が巻き起こった。そして、これからも「ファンの声援に応えられるような相撲を取りたいと思っています。それだけです!」と笑顔。爽やかで真っすぐな言葉に、館内から大きな拍手と歓声が鳴りやまなかった。
部屋頭で、尊敬する横綱・照ノ富士が先場所に優勝した際に旗手としてパレードのオープンカーに乗り「自分もこの景色が見たい」と語っていたが、実際に偉業を成し遂げ「まさかできるとは…」とはにかんだ尊富士。支度部屋では「気力だけだと思いました。もうやるしかないので。昨日歩けなくて駄目だと思ったけど、横綱から“お前ならできる”と言われたのでそのおかげです。師匠からは“やめとけ”と言われたけど、これで後悔したら一生悔いが残ると思って土俵に上がりました」と明かした。
師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は解説者としてNHKの生放送に出演。弟子の快挙に感極まった表情で「いや~うれしいですね」とポツリ。また、尊富士の足首の状態について相撲が取れるような状態だったのか?と聞かれると、「まぁ無理でしょうね。靭帯(じんたい)が伸びてますから」と言及。続けて「(負傷直後)最初はちょっと無理ですって言って来たんですが、夜になったら1人で部屋に入ってきましてね“やっぱりやりたい”って。痛み止め打ったり何をしてでも、この一番をやりたいんだと」と本人から強いアピールがあったことを明かしていた。尊富士も優勝力士インタビューで「師匠が解説だったんで、いい相撲を見せなくちゃと思いました」と笑顔。師匠、横綱・照ノ富士…部屋一丸でつかんだ伊勢ケ浜部屋の“連覇”だった。
館内に歓声がこだました。勝てば歴史的初賜杯となる豪ノ山との大一番。右足首の負傷を感じさせない五分の立ち合い。そこから豪ノ山の圧力に屈することなく前へ出続けた尊富士は、徐々にペースを握り、最後はこん身の押し倒しで110年ぶりの快挙を手繰り寄せた。取組後は土俵上で少し表情を崩し万感の表情。場内から「凄いぞ~!」「良くやった!」「尊富士!」「バンザ~イ!」の大歓声と、割れんばかりの大拍手を浴びながら花道を引き揚げた。花道では関係者が涙する中、笑顔で握手や熱い抱擁を交わしていた。
年6場所制となった1958年以降、幕下付け出しも含めた初優勝の最速記録は1972年夏場所に初土俵から15場所目で賜杯を手にした輪島だった。尊富士は日大の大先輩でもある偉大な横綱の記録も塗り替えた。
青森県五所川原市出身で鳥取城北高、日大と強豪校を歩んだ。22年秋場所で初土俵を踏むと序ノ口、序二段、三段目は1場所で通過。今年初場所に新十両に昇進すると13勝を挙げて新十両優勝を果たし、部屋の横綱・照ノ富士とアベック優勝でパレードでは旗手を務めた。
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