岡崎真氏 6分間練習で“らしくなかった”宇野、鍵山はフリップ抜群 マリニンの演技には衝撃

2024年03月24日 12:49

フィギュアスケート

岡崎真氏 6分間練習で“らしくなかった”宇野、鍵山はフリップ抜群 マリニンの演技には衝撃
<世界フィギュア男子フリー>演技する宇野昌磨(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【フィギュアスケート世界選手権最終日 ( 2024年3月23日    カナダ・モントリオール )】 【岡崎真の目】宇野は6分間練習の時から「らしくない」感じだった。集中できていないのか、時間をうまく使いきれていないように見えた。体調面か、あるいはメンタル面で何か不安があったのかはわからないが、演技が始まっても最後までうまくかみ合わなかった。冒頭の4回転ループの転倒や次の4回転フリップで着氷が乱れたのも技術的な問題というよりもメンタル面の影響が大きかったのではないか。それでも最後までくじけずに演じきったのは立派だったが、残念な結果となった。
 宇野の後に演じた鍵山は良かった。冒頭の4回転サルコーは少し軸が外れていたが難なく降り、今季から取り入れた次の4回転フリップも抜群だった。転倒したトリプルアクセルも決して悪くはなかったが、着氷時に少し重心がかかとにかかり、足元をすくわれたような感じになってしまったのはもったいなかった。

 ただ、その転倒がなかったとしても優勝したマリニンには届いていない。マリニンの演技は鳥肌もので、とんでもない怪物が生まれてしまったような強烈なインパクトを受けた。ジャンプが突出しすぎているが、それだけでなくスピンもステップも素晴らしい。しかも4回転アクセルだけでなく4回転ループも決め、練習ではフリップも跳ぶなどまだまだ余力もある。

 この怪物に対抗するにはどうすればいいのか。2年後の五輪に向け、日本勢にとってはこれからが正念場だ。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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