厳しい現実にただただぼうぜんと…尊富士 110年ぶり新入幕V目前で右足負傷、救急搬送

2024年03月24日 04:45

相撲

厳しい現実にただただぼうぜんと…尊富士 110年ぶり新入幕V目前で右足負傷、救急搬送
右足に包帯を巻き車イスで運ばれる尊富士 Photo By 代表撮影
 【大相撲春場所14日目 ( 2024年3月23日    エディオンアリーナ大阪 )】 勝てば110年ぶりの新入幕優勝だった尊富士は元大関の平幕・朝乃山に寄り切りで敗れ2敗目を喫した。右足を負傷し、取組後には救急搬送され優勝に暗雲が垂れ込めた。3敗の2人は平幕・大の里が小結・阿炎をはたき込んだが、豊昇龍は大関対決で琴ノ若に寄り倒され優勝の可能性が消滅した。賜杯は大銀杏(おおいちょう)を結えない2人に絞られ、尊富士は豪ノ山に勝利するか大の里が豊昇龍に敗れれば優勝決定となる。
 快進撃を続けてきた新星に、アクシデントが襲いかかった。勝てば優勝の大一番。尊富士はいつも通り鋭い立ち合いで先手を取ったが、相手得意の右四つに組み止められて出足が止まった。胸が合って寄り切られ、初土俵から所要10場所目での史上最速優勝はお預け。プロ78戦目にして初めて後ろに下がっての黒星を喫した。そしてその直後に土俵下で異変。足を引きずりながら土俵を下りた。

 付け人の肩を借りてゆっくり歩いてから、車椅子に乗って花道を退場。支度部屋へは戻らず、医務室へ運ばれた。右足首をギプスで厳重に固定し、救急車で大阪市内の病院へ。痛がるような苦悶(くもん)の表情ではなく、目の前の厳しい現実にただただぼうぜんとしているようだった。

 医務室の担当者によると、足関節の捻挫または、アキレス腱などの腱を痛めた可能性もあるという。1914年夏場所の両国以来110年ぶりとなる新入幕優勝という歴史的快挙に王手をかけながら、最終盤で痛すぎるアクシデント。八角理事長(元横綱・北勝海)は「尊富士はショックだろう。軽症で千秋楽も取れればいいが、ここで無理をして悪くなれば元も子もない。これからの相撲人生もある」と24歳の今後を心配した。

 荒れる春場所で優勝の可能性を残して千秋楽に臨むのは、出世が早過ぎてまだ大銀杏を結えない2人となった。高校、大学時代に度重なる膝の大ケガを乗り越えてきた尊富士。持ち前の精神力でプロ入り後最大のピンチを乗り越えることができるか、大きなケガでないことを祈りたい。

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