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田淵幸一氏 阪神・村上の7回完全で交代「負けていたら岡田監督の目指す野球に亀裂が入ったかも…」

2023年04月12日 23:21

野球

田淵幸一氏 阪神・村上の7回完全で交代「負けていたら岡田監督の目指す野球に亀裂が入ったかも…」
<巨・神>好投の村上を出迎える岡田監督(左) (撮影・西川祐介) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神2―1巨人 ( 2023年4月12日    東京D )】 達成すれば阪神球団初の完全試合。見ていたファンが村上の「続投」を願うのは当たり前だろう。賛否両論もあるはず。しかし、私に驚きはなかった。8回の交代劇。これこそが今年、指揮官が目指している「岡田野球」だと思ったからだ。
 リードを奪った試合終盤に強力リリーフ陣のリレーで勝つ――。これが岡田監督の野球だ。選手として85年にリーグV。指揮官としては05年に阪神を優勝に導いた。それら豊富な経験から出された答えと言っていい。彼とは03年に星野監督の下でコーチとして一緒にユニホームを着たが、信念の男でもある。

 同時にプロ3年目で未勝利の村上を何とか勝たせてあげたい。そんな親心もあったはずだ。安打を打たれるまで、あるいは失点するまで投げさせるより、いいイメージを持ったタイミングで降板させる。これも先を見据えた監督の大事な仕事だろう。白星こそつかなかったが、村上は大きな自信を手にしたはず。何より大きいのは今後、彼が貴重な戦力となることが分かったこと。力のある直球は見事だったし、フルカウントも1度だけと制球も抜群だった。

 勝負事に「たら、れば」はない。ただもし、試合に敗れていたら岡田監督の目指す野球に亀裂が入ったかもしれない。信念が勝たせた試合。今後の記憶に残る試合だった。

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