幕張総合の最速151キロ右腕・早坂 急成長完封 11球団スカウトの前で6回コールド「強い気持ちで」

2023年07月12日 05:00

野球

幕張総合の最速151キロ右腕・早坂 急成長完封 11球団スカウトの前で6回コールド「強い気持ちで」
<幕張総合・芝浦工大柏>148キロをマークした早坂(撮影・柳内 遼平) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権千葉大会2回戦   幕張総合13 ―0芝浦工大柏 ( 2023年7月11日    千葉県総合 )】 甲子園を目指すため、そしてプロ入りが懸かる夏。県立の幕張総合に突如、現れた最速151キロ右腕・早坂響(おと=3年)を視察するため、NPB11球団25人のスカウトが集結した。柳田大輔監督は事の重大さを理解。ベンチ内で、5回まで無失点の早坂を呼び「たくさん見にきている。しっかり投げろ」とギアチェンジを指示。ここからが凄かった。
 13―0と大量リードでコールド勝利濃厚の6回。ゲームメークを優先してきた剛腕がリミッターを解除する。ともにスライダーで2者連続三振に斬ると最後の打者はこの日最速タイの148キロで空振り三振。6個目の三振を奪ったラストの82球目について「一試合を通してあれが一番良い球だった」と笑った。

 中学時代は「目立たない捕手だった」という早坂。進学に際して私立からの誘いもなく、入学時は1メートル68、55キロで「高校野球が最後と思って」とプロや大学野球を目指すわけではない“エンジョイ勢”として入部した。だが、昨秋に柳田監督の勧めで投手に転向すると眠っていた才能が開花する。天性の強肩に1メートル76、68キロと体が大きくなったことも重なって6月には151キロをマーク。一気にプロ注目の存在となった。

 異次元の急成長。視察したロッテ・榎康弘アマスカウトディレクターは「ステップアップしている。地元の高校で、ウチには(幕張総合出身の捕手の)村山もいる。将来的にはバッテリーなんて夢もある」と早くも青写真を描く。「暑さと相手の圧に負けないように、強い気持ちでマウンドに立ちたい」と早坂。シンデレラストーリーは、現在進行中だ。(柳内 遼平)

 ◇早坂 響(はやさか・おと)2005年(平17)7月26日生まれ、千葉県松戸市出身の17歳。松戸市立東部小1年から高塚新田ラークスで野球を始める。松戸五中では軟式野球部に所属。幕張総合では1年秋、2年夏、秋に捕手としてベンチ入り。50メートル走6秒3。憧れの選手は日本ハム・伊藤。1メートル76、68キロ。右投げ右打ち。

 ≪名前の「おと」由来はAuto “自分で考えて生きる子に”≫名前は響と書いて「おと」。スタンドで観戦した父・和寿さん(48)は「自分で考えて生きる子になってほしかった。それでAuto(自動の)から“おと”です」と由来を明かす。早坂は自ら練習メニューを考えるなど、その名の通りに成長。さらに父は「柳田監督が多くの人に出会わせてくださった」と感謝する。プロ野球選手やドラフト候補選手を指導するスポーツトレーナーの北川雄介氏(36)もその一人。最適なフォーム改善が異例の成長スピードを生み出した。名前には「他の人にも響くような人生を」という意味も込められている。この夏、全国にその名がとどろくかもしれない。(アマチュア野球担当・柳内 遼平)

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