【杉浦通信員の目】「レブロンの夏」を彷彿、米スポーツ界で異例の同地区敵地ファンから大谷ラブコール

2023年07月12日 18:55

野球

【杉浦通信員の目】「レブロンの夏」を彷彿、米スポーツ界で異例の同地区敵地ファンから大谷ラブコール
練習中、ファンにサインする大谷(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 同じ地区のライバルチームの地元ファンたちが、大谷の打席中に「Come to Seattle!(シアトルに来てくれ!)」と大合唱。米スポーツ界でも異例の光景であり、今季終了後にFAになるエンゼルス・大谷翔平選手の去就問題への注目度の高さを改めて実感させられた。同時に、2010年オフ、初めて完全FAになったNBAのスーパースター、レブロン・ジェームズの行き先に全米の視線が集中した通称「The Summer of LeBron」に雰囲気が似てきたなと感じた。
 「選ばれし男」と称されてNBA入りしたレブロンは2009、2010年と連続でMVPに輝きながら、当時所属していたキャバリアーズはプレーオフでは勝ち進めぬまま。そんな中、FAになった怪物の争奪戦が激化し、多くのチームが獲得を狙うためにサラリーキャップの空きを作り、レブロン獲得に準備する事態になった。

 その年のプレーオフ、ライバルチームのボストン・セルティクスがレブロンに「ニューヨーク・ニックスにでも行ってしまえ!」と大コールを浴びせたことも。今回のマリナーズファンの大谷への声はラブコール。ボストンのファンの罵声とは種類が違うが、なかなか勝てないチームで契約最終年を迎えたスーパースターの去就を巡る大コールという点で共通点はある。

 「期待度が大きすぎて、それに答えるのは不可能だとみんなが思っていたのに、実際にはそれを超えてしまった。大谷はレブロン(ジェームズ)のようだ」

 10日の会見時、大谷のファンを自称するアスレチックスのブレント・ルーカー外野手はそう述べていたが、大谷もまたレブロン同様、MLBを超越したビッグネームになってきているのだろう。2009~10年シーズン、レブロンは遠征に出るたびにFA問題について問われるという異常事態になったのが懐かしく思い出される。その時と同じように、「Come to Seattle!」の大合唱が号砲となり、今後、大谷の去就問題はさらに大きな話題になっていきそうな予感がある。(杉浦大介通信員)

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