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97時間後に勝利!9回2死三塁からの継続試合は門司大翔館が逃げ切り 再開後はわずか4分で決着

2023年07月12日 04:00

野球

97時間後に勝利!9回2死三塁からの継続試合は門司大翔館が逃げ切り 再開後はわずか4分で決着
9回2死三塁からの継続試合で育徳館に勝利し喜ぶ門司大翔館ナイン(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権福岡大会2回戦   門司大翔館3-2育徳館 ( 2023年7月11日    光陵グリーン )】 福岡大会は2回戦、3回戦の16試合が行われた。7日に9回2死三塁で雨天のため継続試合となった一戦は門司大翔館が育徳館に3―2で逃げ切った。今春までエースナンバーだった背番号10の公文活樹投手(3年)が登板し、打者1人を封じた。九州北部豪雨に泣かされた一戦は4日と1時間9分で決着がついた。
 7日の午前8時46分にプレーボールがかかった一戦は、11日の同9時55分に決着がつく。クライマックスを任されたのは、春まではエースナンバーを背負った門司大翔館の背番号10の公文だった。相手の4番・信濃を4球目のカーブで一ゴロに打ち取り、わずか2分で終了。「うわっ!という気持ちだった」と喜びを爆発させた。

 始まりは7日の両者の対戦。回を追うごとに雨脚は強まった。育徳館が9回に1点を返し、2―3と追い上げなお2死三塁で継続試合が決まった。ここからが長かった。8、9日は降雨中止。10日は会場が全面人工芝で両翼も狭い筑豊緑地に変更になったが、降雨中止。この日は7日の試合会場だった光陵グリーンで5度目の仕切り直しとなった。

 先発は7日に9回2死まで2失点と好投したエースの中村翔輝(3年)ではなく、公文だった。松本大輔監督は中村が100球投げて球筋を見られていたこと、春までは背番号1だったことに期待。9日に本人に伝え「どうなっても構わん。すべては自分の責任だ」と声をかけた。エース争いに敗れていた公文は「死ぬほど悔しかった」といい「出してくれるなら、やるしかない」と意気に感じた。7日の対戦で相手4番打者が変化球にタイミングが合っていないことを感じていた中村からは「変化球を低めに投げたら打ち取れる」と助言され、その通りに実践してみせた。

 5日間にわたる激闘のに松本監督は「最長試合じゃないですかね。97時間ぐらいしたので。疲れました」とほっとした表情だった。次戦は連覇を狙う九州国際大付に挑む。「この自信が一番次につながる」と指揮官。雨にも負けず集中力を切らさなかったナインが大物食いを狙う。 (杉浦 友樹)

《無念の初戦敗退》
 育徳館は、1点を追う9回2死三塁からの継続試合でドラマは起こらず。昨夏は8強だったが、無念の初戦敗退になった。一ゴロに打ち取られた4番の信濃勇太(3年)は「常勝を築こうとチームメートと言っていた。去年の先輩にも申し訳ない」と唇をかんだ。井生広大監督は「悔いのないように振っていけ」と送り出したが、無念の結果に。「いい経験になったと思う」とさばさばした表情で語った。

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