成長させてくれた北九州市民球場で、ソフトB・板東が“ダブルストップ”狙う「丁寧に行く」

2023年07月12日 05:00

野球

成長させてくれた北九州市民球場で、ソフトB・板東が“ダブルストップ”狙う「丁寧に行く」
ゴムを使い練習する板東(撮影・中村 達也) Photo By スポニチ
 4連敗中のソフトバンクは、12日の西武戦(北九州市民)に板東湧梧投手(27)が先発する。11日には筑後ファーム施設で最終調整した“男前右腕”は、北九州市民に苦い思い出がある。JR東日本時代に同球場で痛恨被弾し、一時サイドスローへ転向を命じられた。ただ、そのことで制球が低めへ集まるようになった。同球場でのプロ初マウンドは昨季から5連敗中の「鷹の祭典」も開催。チームの連敗阻止に加え、過去とも決別する。
 板東の右腕にはチームの4連敗と「鷹の祭典」5連敗の“ダブルストップ”が託された。重責だが、勢いも手応えもある。自身の雪辱の舞台でもある。

 「希望が見えてるしポジティブになれている。やったるぞ、やられるんじゃないか、両方の気持ちもあるけど野手が助けてくれると信じて最少失点で行く」。5日の日本ハム戦で7回1失点。今季先発初白星を挙げた勢いのまま“北九州の悪夢”を振り払う。

 プロでは初登板だが、JR東日本時代には経験がある北九州市民。「投げるのは社会人での大会以来ですね。4、5年目だったけど“こんなにホームランを打たれるんや”ってくらい打たれて、オーバースローをクビになった記憶があります」。JR東日本在籍時の苦い記憶がよみがえる板東は、思い出したくもない様子だった。

 この試合をきっかけに制球力向上のため、横手投げを勧められた。「監督にサイドスローにしろと言われて、試した。自分ではサイドのつもりだったけど(投げ方は)スリークオーターで緩やかに元に戻った。でも、低めへ投げる大切さを学んだ」。ひょうたんから駒で得た「低めの意識」を武器に因縁の球場で雪辱の機会がやってきた。

 チームは4連敗中。さらに昨年1勝8敗だった「鷹の祭典」は今季も“開幕2連敗”と負のループにはまる。7日の楽天戦(楽天モバイル)から3連戦、さらに10日は京セラドーム大阪で西武と戦い、福岡には戻らずに12日は北九州の強行軍。夏場にさしかかり、野手やリリーフの肉体的負担は増しているだけに「自分自身が引っ張りたい」と力強い。

 最下位の西武打線が相手だが「気持ち良くスイングされると(打球が)飛んでしまう。タイミングをずらすのがポイント。とにかく低めに一発をケア。丁寧に行く」と板東は警戒を怠らなかった。このままズルズルやられる訳にはいかない。“北九州リベンジャーズ”で、好演を狙う。 (井上 満夫)

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