エンゼルス・大谷「まずは本塁打」球宴でHR&MVP宣言 ファンに誓った「ありがとうをプレーで表現」

2023年07月12日 02:30

野球

エンゼルス・大谷「まずは本塁打」球宴でHR&MVP宣言 ファンに誓った「ありがとうをプレーで表現」
報道陣の質問に答える大谷(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 エンゼルスの大谷翔平投手(29)は11日(日本時間12日午前9時開始)、Tモバイル・パークで行われるオールスター戦にア・リーグの「2番・DH」で出場する。大リーグ機構(MLB)が10日(同11日)、両リーグの先発メンバーを発表した。3年連続3度目の出場で、日本選手では初となる柵越えでの本塁打を宣言。07年のイチロー(マリナーズ)以来、16年ぶりの球宴MVPを狙う。
 気温16度と肌寒かったシアトルのTモバイル・パーク。大谷は外野の特設会見場に半袖姿で登場した。3年連続3度目の真夏の祭典。両リーグトップ前半戦32本塁打の意地がある。「本塁打を打ったことがないので、まずは打ってみたい」と珍しく宣言した。

 日本選手の本塁打は、07年にMVPに輝いたイチローが球宴史上初のランニング本塁打を記録したのみ。柵越えのアーチはない。日本選手16年ぶりのMVP獲得にも「本塁打なりが出れば十分に獲れる」と言い切った。

 前々回の登板で割れた右手中指の爪や、前回登板でできたマメの影響で2年連続で打者に専念する。過去2年は3打数1安打、1四球。ナ・リーグの先発右腕ゲーレンとは2日に対戦したばかりで、3打数無安打2三振に抑えられたが「四球を取るより、どんどんスイングしていった方がみんな楽しい。積極的にスイングをしたい」と力を込めた。

 Tモバイル・パーク(当時セーフコ・フィールド)での球宴開催は、01年以来、22年ぶり。通算31試合で打率・184の一方で、21年の右翼4階席への特大141メートル弾など6本塁打を記録する。米1年目の18年、初めてプレーした際には「ずっとテレビの中の場所で、(イチローと)同じ左のバッターボックスに立てて楽しかった」と興奮を隠せなかった特別な球場だ。今回初めてホームチームのクラブハウスに足を踏み入れ「どこが(イチローの)席なのかなとか、思ったりしました」。オフに通ったトレーニング施設のドライブライン・ベースボールもあり、「シアトルではトータルで4、5カ月過ごしたことがある」。成長の礎を築いた地で力を示す時だ。

 会見には日米だけでなく、韓国、台湾のメディアを合わせ約150人が集結した。今季終了後にはFAとなり、トレード期限の8月1日(日本時間2日)も迫る。去就に関する質問が何度も飛んだが「気にすることはない。(トレードは)もちろんコントロールできないことではある。自分がコントロールできることを、まずコントロールしたい。そのことに集中したい」。大谷らしく自然体で答え、プレーに臨む。

 リーグ最多の264万6307票を集めて選出された。「ファン投票で選んでもらって、ありがとうというところをプレーで表現したい」。感謝の気持ちを込めたアーチであり、MVP。大谷がこんなに力強い言葉を並べることはめったにない。(柳原 直之)

 ▽大谷のMLB球宴
 ☆21年(コロラド州デンバー) ファン投票でDH、選手間投票で投手として選出され「1番・DH兼先発投手」で史上初めて投打同時出場。投げては1回を3者凡退で19年田中将(ヤンキース)以来、日本投手2人目の勝利投手となったが、打撃はシャーザー(ナショナルズ)に二ゴロ、バーンズ(ブルワーズ)に一ゴロに封じられた。前日は本塁打競争に出場し、1回戦でソト(ナショナルズ)に敗れた。

 ☆22年(カリフォルニア州ロサンゼルス) 本塁打競争、投手としての先発登板は回避し、「1番・DH」で打者専念。ナ先発は憧れのカーショー(ドジャース)で「初球をフルスイング」の予告を実践しバットを折られながら中前打も、直後にけん制死。3回の2打席目は四球だった。

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