エンゼルス・大谷 球宴で不発も主役 スタンド大合唱「シアトルに来て!!」

2023年07月13日 02:30

野球

エンゼルス・大谷 球宴で不発も主役 スタンド大合唱「シアトルに来て!!」
<全ア・全ナ>4回、大勢のファンの声援を浴びながらスイングする大谷(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 【オールスター・ゲーム   ア・リーグ2ー3ナ・リーグ ( 2023年7月11日    シアトル )】 待望の本塁打は出ずとも、主役だった。エンゼルスの大谷翔平投手(29)が11日(日本時間12日)、オールスター戦でア・リーグの「2番・DH」で出場。初回は空振り三振、4回は四球を選んで交代したが、いずれの打席もスタンドから「Come to Seattle!!(シアトルに来て!!)」の異例の大合唱がこだました。今オフにFAとなる二刀流の去就は全米の注目を集めている。
 大谷の2打席はいずれも異様な雰囲気に包まれた。右翼席の一部から起こった大合唱は、すぐに4万7159人を集めたTモバイル・パーク全体に広がった。「Come to Seattle!!Come to Seattle!!」。今季終了後FAとなる大谷に向けた敵地ファンからのラブコールだった。

 うれしかったが、反応に困った。「ちょっと複雑な気持ちだったけど…」と吐露。「経験したことがない。聞こえていたけど、打席に集中していた」という。初回の1打席目はダイヤモンドバックスの右腕ゲーレンのカーブに空振り三振。4回は21年に同僚だったジャイアンツの右腕カッブから四球を選んだ。
 両リーグ最多32本塁打の打棒は発揮できず「オールスターに出るくらいの素晴らしい投手が集まっている。なおさら打つのは難しい」。悔しさではなく、真剣勝負を楽しんだ爽快感が浮かんだ。

 ファンの思いは、グラウンドにも伝わっていた。地元マリナーズの外野手ロドリゲスは「ファンが団結してあのようなことができるのはとてもクールだ」と喜び、メジャートップの打率.383のマーリンズ・アラエスは「みんな大谷を欲しがっている。私も彼に我々のチームに来てほしい」と共闘を熱望。ア・リーグを指揮したアストロズのダスティ・ベーカー監督も「多くの人が翔平に“ロビー活動”をしていると思う。愛情の表れだよ」と目を細めた。

 日本選手初の本塁打王や自身初のプレーオフ進出が懸かる後半戦は14日(日本時間15日)に始まり、自身がマウンドに上がって先陣を切る。昨季62本塁打したヤンキース・ジャッジのア・リーグ記録更新へは「塗り替えたい気持ちはもちろんある」と宣言した。試合終了を待たずに、同僚のエステベスとともにプライベートジェットで帰路に就き「何度来ても新鮮。また選ばれたいし(本塁打を)打ってみたい気持ちもある」と言った。1914年の7月11日、レッドソックスのベーブ・ルースが7回3失点でデビュー戦を白星で飾ってから、丸109年。シアトルでの合唱が号砲となり、行く先々で「Come to~」コールが待ち受ける後半戦となりそうだ。(柳原 直之)

 ≪球場全体に波及した大谷の注目去就 昨年球宴では中堅守備についたソトに大合唱≫ドジャースタジアムで開催された昨年の球宴では、当時トレード市場最大の目玉とされていたナショナルズのソトに対し、ド軍ファンがラブコール。中堅の守備位置に就くと、外野席から「Future Dodger!(将来のドジャース選手)」の大合唱。ただ、今回の大谷のように球場全体に波及したのは極めて異例だ。ソトは手を振って応えたが、トレード期限最終日の8月2日に2対6の交換でパドレスに移籍した。

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