花咲徳栄・小野 仲間に「感謝」の勝利 横浜から昨年6月転入のプロ注目内野手 父は元巨人・剛さん

2023年07月13日 05:00

野球

花咲徳栄・小野 仲間に「感謝」の勝利 横浜から昨年6月転入のプロ注目内野手 父は元巨人・剛さん
<花咲徳栄・岩槻>打席に立つ花咲徳栄の小野(撮影・高橋 佳寿) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権埼玉大会2回戦   花咲徳栄16―0岩槻 ( 2023年7月12日    レジスタ大宮 )】 第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は12日、28大会で継続試合6試合を含む201試合が行われた。埼玉大会では横浜(神奈川)から、昨年6月に花咲徳栄へ転入した小野勝利(しょうり)内野手(3年)が「4番・三塁」として、同年4月以来となる公式戦出場を果たし1安打1四球。プロ注目の逸材が再スタートを切った。
 最高の仲間と過ごす最後の夏が始まった。小野が快音を響かせたのは、8―0の4回1死走者なし。強打者らしく、左足を高く上げるフォームで、外角直球を捉えた。右中間を破る三塁打から、打線は勢いづき一挙8得点。プロ入りを夢見る中、まずはチームの大勝に頬を緩めた。

 「自分が打ってみんなに喜んでもらいたい。長いようで短かった。自分をすぐに受け入れてくれた仲間に感謝したい」

 春夏通算36度の甲子園出場を誇る名門・横浜に一度は入学。背番号18で1年夏の甲子園出場を果たしたが、2年の6月に花咲徳栄へ転入した。高野連の規定から、この1年間は公式戦に出場することができない苦しい期間となったが、誰よりもバットを振って、この夏に懸けてきた。

 託されたのは「4番・三塁」というチームの柱。1年ぶりの公式戦で「緊張した」と苦笑いを浮かべたように第1打席は三振だった。それでも、プロからも注目される逸材は高い対応力を見せ、第2打席の四球を挟んで第3打席にはきっちり三塁打。高2春の神奈川大会以来となる公式戦で「H」のランプをともした。

 三塁側応援席で見守り、巨人などで投手としてプレーした父・剛さん(45)も喜びはひとしおだった。努力している姿を誰よりも近くで見守ってきた。「本当につらかったと思うが、よく頑張った。プロ野球から少年野球までの全人口の中で一番バットを振っていた」とねぎらい、息子の一打を喜んだ。

 チームは19年以来、4年ぶりの夏の甲子園出場へ向け、12安打16得点で5回コールド勝ち。代打で1打数1三振に終わった1年夏以来、自身2度目の甲子園出場へ思いを募らせる。「甲子園に行けるよう、チームが勝てる打撃で勇気と勢いを与えたい」。感謝の思いは、結果で示すと決めている。(高橋 佳寿)

 ◇小野 勝利(おの・しょうり)2005年(平17)4月10日生まれ、埼玉県所沢市出身の18歳。幼稚園年長で野球を始める。小学校時代は、泉ホワイトイーグルスでプレー。中学では狭山西武ボーイズに所属。50メートル走6秒6、遠投90メートル。高校通算本塁打16本。憧れの選手は西武・中村。1メートル80、88キロ。右投げ右打ち。

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