広島・森下 責任感の完封「龍馬さんが復帰した時、いい順位にいないといけない」貯金ターンも決めた

2023年07月13日 06:05

野球

広島・森下 責任感の完封「龍馬さんが復帰した時、いい順位にいないといけない」貯金ターンも決めた
<巨・広>完封勝利にファンの声援に応える森下(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島2―0巨人 ( 2023年7月12日    東京D )】 広島・森下暢仁投手(25)が4位転落の窮地で圧巻投球を演じた。12日の巨人戦で8安打されても9回を粘投。昨年8月16日の中日戦以来、通算5度目の完封で5勝目を飾った。打っては小園海斗内野手(23)が5回に右中間へ2号決勝2ラン。西川龍馬外野手(28)が右脇腹故障で離脱した中、18年以来5年ぶりとなる前半戦の貯金ターンを決めた。
 2点優勢の7回無死一塁。中田翔が放った三遊間へのゴロを逆シングルからの美技で併殺につなげた小園に、森下はマウンド上から右手を向けて感謝した。バックの好守にも助けられ、完封で5勝目をつかんだ109球の粘投。試合後は感謝の言葉が口をついた。

 「先頭を出してばかりでしたが、守備に助けられました。ゲッツーを取ってもらい、球数少なくいけたのがよかった。チームが勝ててよかったです」

 再三にわたる序盤のピンチで粘りに粘った。初回1死二、三塁で岡本和を空振り三振、大城は左飛。3回1死満塁でも岡本和を二ゴロ併殺に斬った。先頭打者を出塁させること5度。4併殺でしのぎ、そのうち3個を力のある真っすぐで奪った。

 「負けたら順位が入れ替わっていた。そこで何とか取れたのは大きいと思います」

 強く勝ちを念じた一戦だった。負ければ4位転落。4番打者の姿も消えた。右脇腹肉離れのため離脱となった西川。「そろそろ打ってくるわ」と宣言し、決勝打を放った5月27日のヤクルト戦よろしく、3歳年上の先輩と森下は馬が合い、よく会話する仲でもある。

 「龍馬さんが復帰した時、いい順位にいないといけない。しっかり治してチームに戻ってもらい、そこでまた龍馬さんに頑張ってもらって。みんなでカバーしないといけない」

 窮地で9回を1人で投げ切り、勝利をもたらした右腕。新井監督は「調子がいい方ではなかったと思うんだけど、要所を締めながらよく頑張って投げたと思う」と称えた。5年ぶりの前半戦貯金ターンには「あ、そう。そういうの私、知らないから。目の前の一戦です」とけむに巻いた。

 右肘手術によって出遅れながら、5月に戦列復帰して以来、登板10試合で5勝。その全てでクオリティースタート(6回以上、自責3以下)を続け、前半戦最後を白星で飾った。

 「投げる試合は勝ちたい。そう思ってやっています。苦しい時にしっかり抑えられるように頑張りたい」

 中心選手としての自覚。森下の姿がまばゆく輝いた夜だった。(江尾 卓也)

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