シフト制限の意外な“被害者” 昨年首位打者マクニール、昨季打率・326→今季・253と73Pダウン

2023年07月13日 13:10

野球

シフト制限の意外な“被害者” 昨年首位打者マクニール、昨季打率・326→今季・253と73Pダウン
メッツのマクニール(AP) Photo By AP
 大リーグ公式サイトが今季から採用された新ルール、シフト制限に絡み、興味深い調査をしている。
 前半を終え、BABIP(本塁打を除くインプレー打球のうち安打となった割合を表す指標)は昨季に比べて7ポイント上昇したが、これは劇的な変化ではない。18年から19年シーズンの数字に戻った程度だ。

 ただ、左打者の引っ張ったゴロやライナーに限定すると、BABIPは36ポイントの上昇で効果が大きかったことが分かる。一方で三振率は相変わらず高い。

 そんな中、公式サイトのマイク・ペトリエロ記者が、スタットキャストのデータを基に、シフト制限による、打者別の安打の増減を弾き出している。

 1番増えたのはガーディアンズのホセ・ラミレスで14本、次にマリナーズのジャレド・ケレニックで13本、3番手は3人いて、ガーディアンズのジョシュア・ネーラー、アストロズのカイル・タッカー、オリオールズのアンソニー・サンタンダーで12本。ヤンキースのアンソニー・リゾとロイヤルズのMJ・メレンデスが10本。フィリーズのブライス・ハーパーが9本。8本が6人いて、大谷翔平、コディ・ベリンジャー、コーリー・シーガー、ジェイソン・ヘイワード、アドリー・ラッチマン、ライアン・マクマーンとなっている。

 とはいえ90%近い打者は、4本の安打を得た~4本の安打が減ったの間にあり、つまり大部分はシフトがあろうがなかろうが、ほとんど関係がなかった。

 例えばヤンキースのDJ・ラメーヒューのように、元々シフトをあまり使われなかった打者がいる。今季前半を打率・383で折り返したマーリンズのルイス・アラエスも昨季全打席の2%しかシフトを敷かれなかったし、その時も打率・444と打った。

 とはいえこの調査でも、恩恵を受けているのは概ね左打者だと判明。シーズンの最初の3カ月、左打者の引っ張ったゴロの安打は1年前の同じ時期に比べて300本も増えている。一方でシフト制限で安打が減り、打率が落ちた左打者もいる。メッツのジェフ・マクニールだ。元々パワーのある打者ではなく、シフトでがらあきの反対側にゴロを転がし、昨季は打率・326で首位打者になった。

 昨季メッツの実況中継で解説者がナショナルズの守備にあきれ、「どうしてマクニールの時にシフトを使い続け、同じ失敗を繰り返すんだ。ただの遊ゴロがヒットになった。投手(パトリック・コービン)は激怒すべきだ」とコメントし、話題になった。

 実際、昨季シフトを敷かれたときのBABIPは・416で、150個以上の打球を飛ばした打者の中で一番良かった。それが今季はシフトがないため、反対方向に同じゴロを打っても安打にならない。これが全てではないのだが、マクニールの今季の打率は・253と1年前より73ポイントも下がっている。ペトリエロ記者の計算によると、マクニールは今季ここまで安打を7本損ない、他ではオリオールズのアダム・フレージャーが6本、マリナーズのコールテン・ウォンが6本損をしている。

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